3Dコミュニケーション・プラットフォームの『ROOV』、のスタイルポート、3D✕AI の技術開発のさらなる加速のため、筑波大学 繁野研究室と共同研究を開始

プレスリリース要約

スタイルポートは、業界トップの住宅デジタルツインサービスを提供しており、累計で約3万戸の室内3Dデータを保有しています。今回の共同研究では、AI技術と3Dデータを活用し、制作工程の自動化を目指しています。具体的な研究内容は、3DCG制作の自動化と間取り案の作成自動化です。研究者の略歴やコメントから、AI技術への取り組みやビジネスへの期待が示されています。また、ROOVは建物を仮想空間上に再現し、空間イメージを共有するプラットフォームであり、新築マンション販売においてNo.1の採用実績を持つほか、住宅分野以外への活用も進んでいます。

■今回の共同研究の背景

 スタイルポートは、業界No.1(※1)の住宅デジタルツインサービスを提供しており、これまで設計図から制作した3Dモデル数は累計で約3万戸となり、国内最大級※2の室内3Dデータストックを保有しています。しかしながら、居住空間のすべてを正確に3DCGで表現するためには、複雑かつ経験を要する制作工程を経るため、コストとスケール面に課題がありました。

 そこで、今回この膨大な室内3Dデータと成長著しい昨今のAI技術を活用して、制作工程の自動化を図ります。「住宅販売のためのデジタルツイン」から「そこに住まう全ての人のためのデジタルツイン」と価値提供範囲を広げるべく、より大量に利用しやすいコストでサービスを提供できることを目標にしています。

■研究内容

3D ✕ AIとして2つの研究テーマに取り組みます。

1. 3DCG制作の自動化

 3DCG制作工程の中の図面トレースから基本形状の3D化をAIで自動化する技術を開発します。

2. 間取り案の作成自動化

 条件から間取り案を作成する際の工程を自動化する技術を開発します。

<共同研究者 略歴>

▶︎ 繁野 麻衣子(筑波大学 システム情報系 社会工学域)

東京理科大学大学院工学研究科修士課程修了。

東京工業大学大学院理工学研究科情報科学専攻博士後期課程退学。博士(理学)。

現在、筑波大学システム情報系教授。

組合せ最適化、オペレーションズ・リサーチの研究に従事。

著書:

・繁野麻衣子著 ネットワーク最適化とアルゴリズム,朝倉書店  2010

・久野誉人,繁野麻衣子,後藤順哉共著 数理最適化,オーム社,2012

 論文:

・Maiko SHIGENO, “Maximum flows with concave gains, ” Mathematical Programming 107 (2006) 439-459

・H. Hashikami, Y. Li, R. Kobayashi, M. Shigeno, Challenges of commuter carpooling with adapting to Japanese customs and regulations: A pilot study, Transportation Research Interdisciplinary Perspectives, Volume 22, 100945, 2023,

<コメント>

 一口にAIといっても、やりたいことによって基盤技術が異なります。私たちの研究室がこれまでに蓄積してきた最適化技術や離散数学、データ解析のノウハウを活かしながら、これまの建築AI関連にはない視点で、高速に効率よく支援できるアルゴリズムを開発することでアプリケーションの一歩手前をしっかりと固めることを目指します。

▶︎ 橋上 英宜(株式会社スタイルポート Engineering Manager 兼 AI Lab 所長)

筑波大学大学院システム情報工学研究群 博士後期課程修了。博士(社会工学)。

 Engineering Manager 兼 AI Lab 所長として開発力強化に邁進すると共に、開発プロジェクトのマネジメント、テックリードとして3D✕AIの技術開発に従事。

<コメント>

 3D ✕ AIの技術的な難しさがあります。近年、ChatGPT※3などの言語生成AI、Stable Diffusionなどの画像生成AIが実用レベルで使われています。また、クラウドコンピューティングサービスでは MLOps※4基盤が整備されたことにより、私たちは、容易かつ低コストで高性能なAIを用いたプロダクトを開発できるようになっています。

 しかし、3D ✕ AI は異なります。まだまだ研究段階で、開発ライブラリも揃っているわけではありません。近年は、CVPR(毎年アメリカで開催されるコンピュータビジョンに関する世界トップレベルの学会)でも建築AI関連の発表があるなど、研究が進んでいますが、実用化はされておりません。

 ただし、実現できたときのビジネスインパクトは大きく、ゴールを目指して技術開発を続けています。現在取り組んでいる「3D ✕ AI」のテーマをプロダクトレベルに引き上げ、プロダクトとしてお客様に提供、大きなビジネスインパクトを起こしたいと考えています。

<空間コミュニケーションプラットフォーム『ROOV』とは>

 ROOVは、未竣工の建物や、アクセスが不便な立地にある建物を、仮想空間上にデジタルツインとして再現。いつでも・どこでも・誰とでも簡単に空間イメージを共有することができます。空間理解の障壁であった時間・場所・経験による制約からユーザーを解放し、コミュニケーションを拡張します。現在、新築マンション販売においては、No.1の採用実績を誇っています。また、2022年10月からは戸建て住宅分野においても、商談から設計時のコミュニケーションを効率化するソリューションとしての提供も開始。さらに、オフィス、物流倉庫、そしてアリーナなど、住宅領域以外へのソリューションとしての活用が拡がっています。

 今後もスタイルポートは、ミッションである「空間の選択に伴う後悔をゼロにする」の実現に向け、より一層のサービス開発と改善に取り組んでまいります。

※1 新築マンション向けオンライン3DCG内覧サービスとして累計導入実績No.1(東京商工リサーチ調べ)

※2 スタイルポート調べ

※3 ChatGPT:米OpenAI社が開発した大規模言語モデルの一種であり、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービス。

※4 MLOps:機械学習(ML)と、運用(Operations)を組み合わせた造語で、優れた機械学習システムを実現するための手法や概念のこと。

<会社概要>

会社名:株式会社スタイルポート

設立:2017年10月

代表者名:代表取締役 間所暁彦

所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-3-15 東京セントラル表参道322号

事業内容:不動産マーケットにおけるITソリューションの開発および提供

URL:https://styleport.co.jp/

 採用情報:https://styleport.co.jp/careers/

引用元:PR TIMES

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