ロートグループの独自素材甘草抽出エキスが肥満気味の方に対して抗肥満効果があることを確認
プレスリリース要約
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、ロートグループ経営総合ビジョン「Connect for Well-being」の実現に向け、機能性成分の研究を進めています。今回、ロートグループであるエムジーファーマ株式会社(本社:吹田市、社長:墨田康男、以下「エムジーファーマ」)の独自素材である甘草抽出エキスの研究を進めた結果、臨床試験において肥満気味の方の内臓脂肪低減作用等の抗肥満作用を確認しました。本研究成果は、「Journal of Food and Nutrition Research」(2023年12月28日付)に掲載されました。
1.研究成果のポイント
◆ 薬用植物である甘草に、独自の抽出法を用いて作成した甘草抽出エキスが、肥満気味の方(23㎏/m2≦BMI<25㎏/m2、腹部内臓脂肪面積100㎝2以上)の内臓脂肪低減作用などの抗肥満作用を発見
2.研究の背景
メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を基盤として、高血糖、脂質代謝異常、高血圧などの心血管疾患の危険因子が重なり合った病態です。摂取するカロリーを抑えたり、運動したりする事などによる生活習慣の改善を行い、体重、内臓脂肪を減少させると、高血糖、脂質代謝異常、高血圧などの心血管疾患の危険因子を低減するとされています。またメタボリックシンドロームは心血管疾患に限らず、多くの疾病を引き起こすきっかけとされています(メタボリックドミノ)。そのため近年、体重、内臓脂肪を低減する機能性食品素材の開発が盛んに進められています。これまでにロート製薬とエムジーファーマは、当該領域に着目して検討を進めた結果、脂肪細胞を用いたin vitro試験において、甘草抽出エキスが脂肪細胞中の脂肪を分解する作用を持つことが明らかとなっていました。そこで今回、肥満気味の方(23㎏/m2≦BMI<30㎏/m2、腹部内臓脂肪面積100㎝2以上)を対象に、甘草抽出物を配合した製剤を一定期間服用した場合の腹部体脂肪面積等の変化を確認すべく臨床試験を実施しました。
3. 結果
肥満気味の方(23㎏/m2≦BMI<30㎏/m2、腹部内臓脂肪面積100㎝2以上)を対象に、甘草抽出エキスを配合した製剤を摂取するグループと摂取しないグループの2グループに分かれて頂き、どちらかを12週間摂取した場合の腹部体脂肪面積等に及ぼす影響について評価しました。その結果、甘草抽出エキスを摂取したグループでは摂取前と比べて摂取後に腹部内臓脂肪面積の減少が確認されました。
また、より詳細な解析を行った結果、23㎏/m2≦BMI<25㎏/m2、腹部内臓脂肪面積100㎝2以上の方々において、甘草抽出エキスを摂取したグループは、摂取していないグループと比較して、①腹部内臓脂肪面積、②腹部皮下脂肪面積、③腹部総脂肪面積、④体重、⑤BMIが低い値を示しました。
4.考察
この度認められた抗肥満作用の作用機序としては、脂質の消費(燃焼)を示唆する結果が得られており、今後より詳細な検討を進めていく予定です。
5.本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
本研究成果により、エムジーファーマの独自素材である甘草抽出エキスが抗肥満作用を示すことが臨床試験にて明らかとなりました。肥満の改善は生活習慣病に罹患するリスクをさげ、健康寿命の延伸という社会課題の解決の一助となるものと考えています。今後、臨床試験の結果を踏まえ、機能性表示食品の開発を進め、一日でも早くお客様に製品をお届けできるよう努めてまいります。
6.特記事項
本研究成果は、2023年12月28日(木)(米国東部時間)〔12月29日(金)(日本時間)〕に米国科学誌「Journal of Food and Nutrition Research」(オンライン)に掲載されました。
タイトル:“Effects of a Capsule Containing Licorice Extract on Body Fat: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Study”
著者名:Kosei Tsukamoto, Kazutake Fukada, Yukiko Sekii, Chiaki Ogura, Keiichi Ishido, Yuka Sasakawa, Yasuo Sumida and Masahiro Fukuda
用語説明
※1 BMI(Body Mass Index)
BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。」BMI=体重(㎏)÷身長(m)身長(m)で算出されます。
引用元:PR TIMES