「IHI/SAMPE Japan 学生ブリッジコンテスト」にミライ化成が再生炭素繊維から製造した不織布を強化材として提供

プレスリリース要約

ミライ化成はSAMPE Japanで再生炭素繊維を提供し、ブリッジコンテストで学生を支援。東京大学のチームが優勝し、日本大学平山組が総合優勝。展示会では再生炭素繊維を活用した製品を紹介し、円子春菜が講演を行いました。また、三沢LABで再生炭素繊維の成形加工に取り組むと発表し、市場創出と持続可能な社会実現を目指しています。
三谷産業株式会社(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:三谷 忠照)のグループ会社であり、主に化学品および食品添加物などの販売を行う株式会社ミライ化成(本社:長野県千曲市、代表取締役社長:中川 景介、以下 ミライ化成)は、東京ビッグサイトで開催された『SAMPE Japan 先端材料技術展 2023(以下 SAMPE Japan)』(2023年11月29日(水)~12月1日(金))において行われた『IHI/SAMPE Japan 学生ブリッジコンテスト(以下 ブリッジコンテスト)』に再生炭素繊維から製造した不織布を提供し、化成品部 循環型CFRPグループの円子 春菜(まるこ はるな)が審査員として参加しました。

また、SAMPE Japanでは企画展示ブースとコンポジットハイウェイコンソーシアム(CHC)の合同ブースに出展し、再生炭素繊維を活用した素材や製品を展示し、円子 春菜が講演を行いました。

■「IHI/SAMPE Japan 学生ブリッジコンテスト」に再生炭素繊維を提供

ブリッジコンテストは、株式会社IHIと先端材料技術協会(SAMPE Japan)が主催するコンテストです。材料・構造力学を学ぶ学生がブリッジ(橋型の模型)の設計と成形を行い、それぞれの強度と軽量性を競います。ブリッジコンテストの米国本大会は1998年から開催され、現在では世界各国の大学生が参加する本格的な国際学生競技会として認知されています。

今回のコンテストは3つのカテゴリーから構成されており、それぞれ、学生によるブリッジのプレゼンテーションと、ブリッジの強度を評価する試験が行われます。3つのカテゴリーのうち、今回世界で初めて開催された『カテゴリーR』は、コンテスト事務局が素材として提供する樹脂と、強化材として提供する再生炭素繊維を用いて製作されたブリッジの軽さと強度を競う部門です。ミライ化成は、この『カテゴリーR』に再生炭素繊維から製造した不織布を提供しました。

コンテストにミライ化成が提供した再生炭素繊維から製造した不織布コンテストにミライ化成が提供した再生炭素繊維から製造した不織布

ブリッジコンテストの様子ブリッジコンテストの様子

8つの大学がエントリーした『カテゴリーR』では、参加チームの中で最も軽量でありながらも、設計荷重をクリアするブリッジを製作した東京大学の「チーム東大.Gr.R2」が優勝しました。また、3つのカテゴリーを通しての総合優勝となるIHI杯は、樹脂の中でも環境負荷の小さいバイオベースエポキシ樹脂(石油由来の炭素の代わりに、植物由来の炭素から作られる樹脂)と、ミライ化成の再生炭素繊維を強化材に用いてブリッジを製作し、大きな設計荷重を達成した「日本大学平山組」に授与されました。

本コンテストを通して、軽量で頑丈という炭素繊維の特徴を保持しながらも、環境負荷を大きく低減できる再生炭素繊維の魅力を学生・出席者の皆さまに訴求することができました。

■SAMPE Japan 先端材料技術展に、再生炭素繊維を活用した製品を出展

展示会では、炭素繊維と樹脂(プラスチック)を混合した炭素繊維複合材(一般にCFRPやCFRTPと言われます)が使われた端材や廃材から、独自の技術を用いて炭素繊維を回収し再利用する、ミライ化成の再生炭素繊維事業について紹介しました。

具体的には、ブリッジコンテストにも強化材として提供した不織布の他、再生炭素繊維をパーツの一部の強化材として採用し軽量化を実現したドローン、不織布をレザー調に加工したパスホルダー、回収できた炭素繊維の中でも比較的短い炭素繊維をペレットに混ぜ込み作られた3D プリントの材料となるフィラメントなどを展示し、再生炭素繊維の幅広い活用可能性や、短繊維も長繊維も余すことなく材料や製品にリサイクル可能な同社の技術を紹介しました。

再生炭素繊維を利用して製作されたミライ化成の出展物再生炭素繊維を利用して製作されたミライ化成の出展物

また、化成品部 循環型CFRPグループの円子 春菜による講演では『CFRPのリサイクル技術』と題し、ミライ化成独自の再生炭素繊維回収技術をはじめとして、今後の市場動向、最新の研究開発状況等について紹介しました。

円子 春菜による講演会の様子円子 春菜による講演会の様子

ミライ化成は、2024年度内を目途に再生炭素繊維を用いた不織布の成形加工における生産性の向上に取り組むため、研究開発拠点の三沢LAB(青森県三沢市)の設備増強を行います。将来的には、再生炭素繊維の成形加工・最終製品の製造まで一気通貫で行える技術の確立を目指してまいります。

また、事業活動を通じて再生炭素繊維の活用可能性を訴求することで、新たな市場創出と持続可能な社会の実現を目指します。

三沢LAB三沢LAB

(ミライ化成の取り組み例、関連情報)

・クラウドファンディング

「再生炭素繊維が作り出す圧倒的な強さと軽さ|航空機端材から生まれたアタッシュケース」

https://www.makuake.com/project/miraikasei/※2023年12月30日(土)まで応援購入が可能です

・2023年12月8日公表

「三谷産業グループのミライ化成と日本曹達グループの日曹金属化学、炭素繊維のリサイクル

分野にて協業を開始」

https://pdf.irpocket.com/C8285/FpHG/AKgu/juWK.pdf

・2023年11月14日公表

「2023年度NEDOプログラムに、ミライ化成の『再生炭素繊維不織布を利用した高効率

CFRTP加工技術の開発』が採択」

https://www.mitani.co.jp/application/files/3716/9986/1172/2023NEDOCFRTP.pdf

(補足情報)

【ミライ化成について】 https://www.miraikasei.com/

1998年に長野県長野市で設立されたミライ化成(設立時:クラヤ化成)は、2009年11月より三谷産業グループの化学品関連事業セグメントの一社として、半導体、情報機器、精密機械、化学、食品加工といった産業分野に、工業薬品、電子材料、食品材料、食品添加物などを提供しています。

【三谷産業グループについて】 https://www.mitani.co.jp/

石川県金沢市で創業して95年、ベトナムで創業して29年の複合商社です。北陸、首都圏、ベトナムを拠点に、化学品/情報システム/樹脂・エレクトロニクス/空調設備工事/住宅設備機器/エネルギーの6セグメントで事業を展開しています。商社でありながら、時にメーカーとして、また時にコンサルタントして、お客さまにとっての最適を追求するとともに、「創業90年を越えるベンチャー企業」として更なる進化へと挑戦しています。

2023年3月期:連結売上高90,416百万円/連結従業員数3,545名

引用元:PR TIMES

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