スマートシティ推進に向けたパーソナルデータ活用の観光・防災実証実験を実施
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プレスリリース要約
実証実験概要
1.背景と目的
スマートシティの推進には、住民のパーソナルデータの活用が重要な役割を果たします。しかし、都市OS(データ連携基盤)との連携の在り方や、個人情報の取扱いに対する課題があり、スマートシティにおけるデータ利活用の実証例も十分ではありません。
熊本県人吉市は、令和2年7月豪雨災害によって、顕在化した課題に対応し、住民と観光客が安心して過ごせる街づくりとして、デジタル技術を用いたスマートシティ化に力を入れています。この取り組みの一環として、人吉市、ウフル、ウフルの子会社システムフォレストは、総務省主導のスマートシティ関連の調査業務を実施し、住民と観光客が安心してパーソナルデータを提供できる仕組みや、データ提供を促進する最適なサービス内容を模索するため、観光・防災領域の実証実験を行いました。
2.実施内容
高齢者、乳幼児とその保護者、アレルギーを持つ人など多様な属性の25人の参加者からパーソナルデータを得て、ウフルのデータ・サービス連携基盤に集約・管理、都市OSと連携させることで、このデータを基に、参加者の属性に合わせた観光と防災の分野での実証実験を行いました。観光分野では個々の属性に適した飲食店の提案を行い、防災分野では球磨川氾濫時の避難所を想定し属性に合わせた支援物資の輸送を実施。支援物資の配送には、セイノーHDとドローン配送を手がけるNEXT DELIVERYが協力し、迅速な輸送を実現しその効果を検証しました。
観光分野
参加者のパーソナルデータ(例:アレルギー情報、乳幼児連れなど)を基に、属性に合った飲食店を観光デジタルマップ上で表示し、参加者はこのマップを使って飲食店の予約を行います。飲食店側では、参加者の提供したパーソナルデータ(アレルギー情報等)を考慮して、来店に向け調整された食事メニューを提供します。この一連の体験の後、参加者からのフィードバックをヒアリングし、サービスの効果と改善点を評価することができました。
防災分野
災害時を想定し参加者は避難所へ避難し、スマホ等のデジタル機器でチェックインをすることで、参加者のパーソナルデータ(例えば、子ども連れや高齢者など)を基に、各避難所の避難者属性がダッシュボードに表示されます。その後、参加者の属性に応じた支援物資(例えば、乳幼児向けの粉ミルクなど)が近隣施設から、必要性、緊急性など状況に応じてドローンとトラックを用いて届けられました。特に注目されたのは、令和2年7月豪雨時に顕著化した課題解決に向け実施した、球磨川氾濫時に隔離される地域を想定したドローンによる配送で、これにより災害時の即時対応の有効性が検証されました。最後に、参加者からのフィードバックをヒアリングすることで、実験の全体的な効果と改善点を評価しました。
災害時の孤立地域への輸送を想定して、あゆの里から歴史の広場までの河川横断のルートとあゆの里からHASSENBAまでを、エアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruck*1により災害物資を配送しました。
人吉市総務部防災課 鳥越課長は、「ドローンによる物資運搬は、土砂災害や洪水などにより交通手段が途絶えた時に有効的な手法だと思います。また、ライフライン(通信)が途絶えた時にも自治体と警察や消防との情報共有手段としても活用できるのではないかと思いました。」とコメントしています。
今回の実証実験を通じて、住民や観光客が安心してパーソナルデータを提供できる仕組みと、データ提供を促進する最適なサービス内容を模索するため、データの活用方法、住民の同意プロセス、データの追跡方法など、データ利活用に関する機能を検証します。さらに、有識者の助言・監修を受けながら、情報銀行において住民や観光客のパーソナルデータを取り扱う上でのルール整備の指針を提案する予定です。
以上
引用元:PR TIMES