【キャリアへの主体性を育成】サレジアン国際学園中学校の1年生約60名へプロティアン・キャリア教育を実施

プレスリリース要約

プロティアン・キャリア教育は、広い意味でのキャリアを重視し、将来や人生をどう捉えていくかに焦点を当てている。メンターとファシリテーターによるプロティアン・キャリア教育授業が中高等学校で展開されており、その一環としてサレジアン国際学園中学校で2日間の授業が実施された。生徒たちは大人との対話を通じて多くのことを学び、自分の将来について具体的なイメージを持つ機会となった。プロティアン・ラボは、協会理念の実現を目指すために設立された研究所であり、2021年に設立以来、様々な分野で活動している。

  • プロティアン・キャリア教育とは

学校教育に「キャリア教育」が導入されて20年近く経過していますが、教育現場においてはキャリアが「職業体験」と狭義に捉えられている現状があります。プロティアン・キャリア教育は、キャリアを広義にとらえ、職業観だけでなく、将来や人生をどう捉え 、どう自らの手で作り上げていくかに焦点を当てています。

子ども達が自分らしく輝き、この変化の多い時代を生き抜くために 、自身のアイデンティティを正しく認識し外部環境変化を見極め、柔軟に適応していく力を身につける必要があります。自らの生き方・働き方をデザインし、「自身のありたい姿」を実現していく力を身につけるのがプロティアン・キャリア教育の目指す姿です。プロティアン・キャリア協会は、2022年より、メンター、ファシリテーターによるプロティアン・キャリア教育授業を全国の中高等学校へ届けています。

  • 授業概要

2023年11月21日と28日の2日間に渡り、プロティアン・キャリア協会の教育ラボに所属するのべ15名が、サレジアン国際学園中学校(東京都北区)の1年生60名にプロティアン・キャリアを伝えてきました。

もともとキャリア教育に力を入れている当校から「より多くの社会人と接する機会を作りたい」とお声がけいただき、今回の実施となりました。当初は1日だけの実施予定でしたが、さらに学びを深めたいと急遽2日間にわたった授業はまさに変幻自在。その時々でどうすればよりよい授業が実施できるか、生徒さんに感じてもらえるか、考えながら授業を進めていきました。

実施日:2023年11月21日(火)、28日(火)

受講生徒:サレジアン国際学園中学校 約60名

参加講師:15名(2日間のべ人数)

井上敬仁・久保内晶子・黒岩乙水・小林聖司・笹田佐智子・瀧澤純也・立花昭彦・渡海朝子・中村浩一郎・迎英子・山岡みゆき・山本幸治

■11月21日:楽しい未来の作り方~たくさんの大人たちと話そう(120分)

プロティアン・キャリア理論の考え方を理解したあと、事前に配布された講師のプロフィールシートをもとに、話を聞いてみたい講師のところに行き、グループでの対話を実施。

「大人もたくさん失敗しているんですね」「どうしてこの仕事をしようと思ったの?」と活発な質問が飛び交う中、講師たちは今まで経験してきた自分自身の人生や仕事について、NGなしで自己開示していきました。生徒たちは合計6名の講師から話を聞き、それぞれ感じたことをワークシートに書いていきました。

■11月28日:楽しい未来の作り方~仕事について考えよう(120分)

世の中には私たちが知らないような仕事がたくさんあること、そしてそれは「将来やりたいことがない」のではなく、ただ知らないだけなのかもしれないということを肌で感じてもらうワークを実施。

そこに講師たちがファシリテーションしながら、自分たちの身の回りにあるたくさんの仕事について考えをめぐらせていきました。講義の中に事前に先生方に実施していた「教員でなかったら何になりたい?」というアンケート結果を披露。「これはどの先生の回答かな」と大いに盛り上がりました。

授業は1日、2日で終わってしまいますが、生徒たちの学校生活、人生は続いていきます。「この授業を通じて感じたことが少しでも残っていてほしい」と講師全員心を込めて届けてきました。

  

  • 受講した生徒の感想(一部抜粋)

・自分の好きなこと、やりたいことができる仕事が一番楽しいということを聞き、自分の将来を大切に、本当に自分がやりたいと思える仕事をやってみたいと思いました。

・みなさん失敗をしていて、そこから何を学ぶのが大切だと思いました。

・わからないことはまだまだたくさんあるけど、ちょっと将来が楽しみになってきました。

・学園祭の出し物をグループで作ったときに「働く」という感覚がなんとなくあった。今回の授業でそれがどのような感覚だったのか具体的に理解できた。将来自分が働いているイメージができた。

・もっと話を聞きたかった。

・自分については自分がいちばん知っていると思っていたが、友達や講師の方からの話で新たな自分を発見することができた。

・自分が(ワークで)選んだ仕事は誰の何の役に立っているのかを考えたのが面白かった。それはあくまで想像なので、実際にその職業の人に話を聞いてみたいと思った。

  • 先生からの感想

・「21世紀に活躍出来る世界市民」にまさに必要なキャリア観である、「プロティアン・キャリア」について学ぶ機会を学校に導入できたことがよかった。

活き活きと自分がやりたい仕事に取り組んでいる方の姿を見、お話を伺えたことが体験として生徒の中に、ポジティブな印象として残ったと思います。仕方なく、しかし、生活のために働くイメージから、自己のやりたいことをしているという能動的な働きのイメージができたことが良かったと思います。

・日頃接している教員とは違う大人と関わる機会を持ち、人生経験を含めてさまざまな知見を得られたこと。キャリアアンカーがそれぞれ違うことに触れ、自己を肯定的に捉えていく機会が一つ加わったとも感じました。

キャリアを生き方から含めて考察する際、価値観や信念などが大きく影響してくると感じました。自己内省や自己研鑽が問われると思います。大人自身も難しいことでもあります。子どもたちにとって、関わる大人が生き方のモデルとなるため、教員も教科指導だけでなく、人としての生徒の前に恥ずかしくないよう自己研鑽したいと思いました。

自らの「キャリア」について考えることは、自らへの理解を深めることにもつながります。そのため、今回だけではなく、節目節目でまたこのような機会を持つことが出来れば、と感じております。この度は貴重な機会を提供して頂きありがとうございました。

  • キャリア教育への想い

    プロティアン・キャリア協会 教育ラボリーダー 山本幸治

サレジアン国際中学の生徒たちは自分の将来に対して高い興味・関心を持っている生徒たちばかりでした。大人との対話ワークでは失敗しても良いことや前向きになるためのヒントなどを学び、アイデンティティワークで自分の大切にしているものを感じ取りながら、「働く」ワークを通じてどんな仕事が自分たちの役に立っているかを考えることで、自分の将来をイメージする大きな機会になったのではないかと思います。

子どもたちは普段から大人や社会をよく見ています。そしてそこから自分の可能性を推し量ろうとしていますが、見えているのは表面的なごく一部です。そのために自分の個性の生かし方に悩み不安をいだき未来への可能性を狭く感じ取ってしまいます。大人がより積極的に大人の生き方や価値観、失敗談やその乗り越え方を伝えることで、どんなことでも何度も挑戦できること、そのためには自分たちの個性を大切にすることが重要であることを気づいてもらえる取り組みを今後も行っていきます。

  • 授業の様子

  • プロティアン・ラボとは

協会理念「プロティアン・キャリア理論の普及による組織と個人のより良き関係の創出と、個人の主体的な自己変革型キャリア開発支援」を実現するために、当協会の認定者が自主的に運営する研究所です。

特別顧問の田中研之輔教授が提唱する「現代版プロティアン・キャリア理論」を基礎研究としてリスペクトしつつ、ダイバーシティ&インクルージョンな現代社会に対応すべく、積極的に研究員が持つ知見やノウハウ、アイデアを取り入れて実験し、試行錯誤し、化学反応を起こしながら創発的により良いものを生み出す場としています。

2021年に設立以来、キャリア教育、若手、ミドル、シニア、アイデンティティ、アダプタビリティ、育児、女性、アスリート、組織開発ラボの合計10のラボで活動しています。

  • 当協会概要

 正式名称:一般社団法人プロティアン・キャリア協会
 所在地:東京都新宿区西新宿3-2-9新宿ワシントンホテルビル本館2F
 事業概要:個人の主体的なキャリア開発と組織と個人のより良き関係創出の支援
 代表理事:田中 研之輔(法政大学キャリアデザイン学部 教授)/有山 徹 (4designs株式会社 代表取締役CEO)
 設立年月:2020年3月
 協会WEBサイト:https://protean-career.or.jp/
 メディア「Protean」:https://protean-career.or.jp/column/
 Facebook:https://www.facebook.com/protean.fb
 Linkdln:https://www.linkedin.com/company/72986319/admin/
 お問い合わせ先:[email protected]

引用元:PR TIMES

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