分譲マンションにおける廃棄物削減に向けた取り組み「すてないくらしプロジェクト」開始
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プレスリリース要約
不動産業界における廃棄物削減の推進は、不動産会社が開発後長期にわたって保有、管理運営を行うオフィスビルや商業施設での取り組みが先行しています。分譲マンションにおける廃棄物は、規模がオフィスビルなどに比べ小さいほか、行政サービスの一環で住民が追加的に費用負担をすることなく回収されることから、コスト面での意識も働きにくく体系的な施策が進んでいない状況でした。東京建物では、生活に密接する住宅分野での取り組みは循環型社会を推進していくうえで必要不可欠かつ早急な対策が求められると考え、本プロジェクトを開始しました。
本プロジェクトは東京建物が供給済み、また今後供給する分譲マンションにおいて、廃食油や衣類・雑貨の回収、物品レンタル、親しみやすいゴミ置き場のデザインなど、廃棄物削減に寄与するさまざまな取り組みを実施するものです。従来、物件ごとに管理組合主体で行われていた集団回収などの取り組みに加え、物件規模や特性を踏まえ、導入を推進してまいります※1。
※1 物件規模などにより導入メニューやスケジュールが異なるほか、分譲済物件においては、管理組合と協議のうえ、導入可否を検討
● 取り組みの具体例
1.廃食油回収
廃食油は固めて捨てれば可燃ごみ、そのまま流せば水質汚染・マンション排水設備の劣化原因となりますが、回収し適切な処理を行うことによって、肥料や飼料、石鹸やSAF(航空燃料)に生まれ変わります。
現在、一般家庭から排出される廃食油の回収は商業施設や地域のリサイクルセンターなどで実施されているケースも見受けられますが、自宅から回収場所への廃油の運搬の負担が課題でした。
今回、居住者の皆様に、より負担少なく廃食油活用にご参加いただけるよう、マンション共用部に集団回収ボックスを設置する方法で廃油回収を開始します。2023年にBrillia多摩センター(東京都多摩市、総戸数530戸、2007年築)において行ったトライアルでは、1カ月間で約45㎏の廃食油を回収しました。1年間毎月同量の回収が見込めた場合、削減できるCO2は約1.5t※2に相当し、これは約100本分の樹木が1年間光合成することにより吸収するCO2量にあたります※3。
今後、導入物件を増加させ、効率的な回収ルートを構築し、可燃ごみの削減、CO2排出量の削減に貢献してまいります。
※2 平成19年「地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン」(第3版)により算定
※3 『地球温暖化防止のための緑の吸収源対策』環境庁/林野庁資料により算定
2.衣類・雑貨回収
使い古した衣類は古布として集団回収が行われている地域も多く、資源としてリサイクルされていますが、まだ着ることができる衣類、使うことができるおもちゃなどの雑貨は、リユース品として活用することも廃棄物削減に関し重要な役割を果たします。
今回、マンション共用部において、株式会社ECOMMIT(本社:鹿児島県薩摩川内市、代表取締役CEO 川野 輝之、以下「ECOMMIT」)が提供する、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行うサービス「PASSTO(パスト)」を導入します。回収した不要品は、ECOMMITにより国内外でリユース品として再流通させるほか、劣化などによりリユースが困難なものに関してはリサイクルパートナーを通じて再資源化を行います。
「PASSTO」(パスト)について
PASSTOは、持ち込まれた不要品を受け取り、ECOMMITが不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行うオリジナルブランドのサービスです。 PASS TOを短縮した造語で、「次の人に渡す、未来に渡す」を意味しています。人々の暮らしに一番身近な資源循環の入口となることで、人々がより気軽に資源循環へ参加できる場を創出することにより、サーキュラーエコノミーの実現を目指します。
株式会社ECOMMITについて
「捨てない社会をかなえる」ために、ものが循環するインフラをビジネスで実現する循環商社。全国7箇所に自社の循環センターを持ち、不要になったものを回収・選別・再流通しています。さらに、”ものの流れ”をデータ化する自社開発のトレーサビリティシステムにより、リユース・リサイクル率の算出や、CO2削減量のレポーティングまで行うことで、企業や自治体のサステナビリティ推進に向けたサービスを包括的に提供しています。
3.通いたくなるゴミ置き場「GOMMY」
マンションのゴミ置き場は、入居者へのヒアリングで、ゴミ分別や衛生環境について常に声が上がる課題点の一つです。東京建物では、「ゴミ置き場が変われば、意識も変わるのではないか」と視点を変え、空間デザインでの課題解決にチャレンジし、2020年より通いたくなるゴミ置き場「GOMMY」の採用を進めています。
照明を居室と同じ温かみのある色みにしているほか、ピクトグラムを多用し、英語も表記することで、幅広い年齢、多様な背景を持つ方もゴミを出しやすくなる工夫をしております。
● 東京建物グループの循環型社会の推進に向けた取り組みについて
東京建物グループは、マテリアリティの一つとして「循環型社会の推進」を特定しています。この課題に事業を通じて取り組むために、長期保有ビルにおいて「2030年度までに、2019年度比で、廃棄物の排出量原単位を20%削減する」こと、「2030年度までに、廃棄物の再利用率90%を実現する」ことを目指しています。その他、循環型社会の推進に関する取り組みの詳細については、東京建物のサステナビリティサイトをご覧ください。
URL: https://tatemono.com/sustainability/
以 上
引用元:PR TIMES