GEヘルスケア、都内3例目となるコマンドセンターの構築を東京都立墨東病院にて着手
プレスリリース要約
墨東病院は、三次救急医療を含む「東京ER・墨東」や周産期医療など複数の重点医療を担い、区東部保健医療圏を中心に区部全域を対象とした広域基幹病院としての役割を果たしています。この様な中で、2020年に始まったコロナウイルス感染症対策に端を発する医療需給のミスマッチを改善するべく院内改革を進めてきました。また、2024年4月より開始する医師の働き方改革を実施し、病院医療制度を更に強化していくためにも、医療DX を推進するデジタルシステムの導入が必要不可欠であると考えてきました。
そこで墨東病院は、米国のジョンズホプキンス大学病院とGE ヘルスケアの共同開発によるコマンドセンターに着目し、導入を決定しました。コマンドセンターは2015年にジョンズホプキンス大学病院で初めて稼働し、その効果が実証されたことで世界各国での展開が広がっています。日本でも2021年に初導入され、コロナ禍を通じて施設はもちろん地域における医療提供体制の強化推進に貢献したとして知られています。
今後の方向性:
GEヘルスケアが提供するコマンドセンターは、各施設や地域の医療課題を解決し、ニーズに的確に応えていくべく、各施設様との協議を通じて独自のシステムを構築します。今回は、GEヘルスケアと墨東病院との協働により、現状認識に基づいた課題精査を行い、その解決に向けて必要な要件をシステムに適用していきます。具体的には、新規も含めより多くの患者さんを受け入れ、適切な医療提供を行うことができるよう、まずは病床稼働率の改善に取り組みます。同時に、医療従事者の皆様が活き活きと日々の活動に従事いただけるよう、働き方改革を支援していきます。
そして、システムを構築した後も、新たな課題やニーズにより的確に対応するべく、引き続き施設様と協働を継続し、医療従事者の皆様、その先にいらっしゃる患者さんが求める医療の提供をプロセスとして模索し、実現するよう取り組みます。
2024年4月の本格稼働を目指し、何よりも患者さんの安全を最重要視し、患者さんが求める医療の提供をより一層推進するべく、医療従事者の皆様及び病院経営層の皆様と一体となり、新たな価値の創造と共有を図っていきます。
墨東病院長の足立健介氏は次のように述べています。
「先に導入された淡海医療センター(滋賀県)では、『病床稼働率の向上』と『看護師総残業時間の削減』という二律背反の結果を生み出しました。『医療デジタル革命』と呼ぶにふさわしい事象で、既存の『業務改善』という思考停止ではなく、複雑性へ自在に対応できる自律性の創出を意味しています。システム導入だけでは決して実現できない成果です。コマンドセンターの導入が、DXの『X』の部分、トランスフォーメーション(変革)を組織に巻き起こす、強力なエンジンとなりました。当院でも、準備段階から既に『X』の萌芽が出現しています。私たちは、『コマンド&コントロール (C & C) センター』と命名しました。C & Cセンターはセンター・オブ・エクセレンス(多職種による叡智結集の拠点)として、当院にパラダイムシフトをもたらす無限の可能性を秘めています。」
GEヘルスケア・ジャパンの代表取締役社長兼CEOを務める若林正基は次のように述べています。
「医療を取り巻く環境は厳しさを増す中で、GEヘルスケアは、製品やサービスに留まることなく、お客様の病院運営におけるニーズや目標を理解し、その実現に向けた取り組みを支援する様々なデジタル・ソリューションを提供しています。この一環にあるコマンドセンターの強みは、システムの構築・導入にあるのではなく、お客様の目標が達成されるよう課題の可視化・解決を協働で行い、成果を出していくことにあります。この度地域の基幹病院として多くの患者さんに必要とされている東京都立墨東病院様と協働・共創させていただくご縁をいただき、コロナ禍を経た新たな病院運営の在り方を共に模索し、地域の健康と安心により貢献できるよう取り組んでまいります。」
GEヘルスケア・ジャパンについて:
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、GEヘルスケアの中核拠点の1つとして1982年に創設されました。予防から診断、治療、経過観察・予後管理までをカバーする「プレシジョン・ケア」の実現を目指し、インテリジェント機器やデータ分析、ソフトウェア、サービス等を提供しています。国内に研究・開発、製造から販売、サービス部門までを持ち、日本のお客様のニーズにお応えしつつ、日本が直面する医療課題の解決に取り組んでいます。日本における社員数は約1,500名、本社および60カ所の事業拠点があります。
詳細はホームページをご覧ください。
https://www.gehealthcare.co.jp/
東京都立墨東病院について:
人口約 150 万人(令和2年1月1日現在 住民基本台帳より)を抱える区東部保健医療圏(墨田区・江東区・江戸川区)に位置する総合病院です。地域医療支援病院、災害拠点病院で、区部の広域基幹病院としての役割を担っています。
この4年間のコロナ診療に関しても、当地域における中心的存在でした。重症患者受入割合が7.0%を超えていたのが最大の特徴で、地域医療機関との連携は「墨田区モデル」として広く認知されてきました。コロナ禍にあっても、通常診療だけでなく行政的医療や特殊医療に尽力しています。都内に4か所しかない高度救命救急センターを併設し、2023年の三次救急応需数は都内一位に返り咲きました。
引用元:PR TIMES