【3/22 世界水の日に世界の衛生課題について考える】LIXILが挑む「グローバルな衛生課題の解決」への取り組みとは?

プレスリリース要約

LIXILのCEO瀬戸欣哉が、国連主催の「Sanitation and Water for All(SWA)」パートナーシップのグローバル・リーダーシップ評議会のメンバーに初めて任命されました。また、開発途上国向け簡易式トイレシステム「SATO」が10周年を迎え、約4,500万人の衛生環境改善に貢献しています。SATO事業では、現地の生産・販売体制の構築や人材育成にも取り組んでおり、世界規模でのインパクト創出に向けたパートナーシップを拡充しています。LIXILのブランドは、水まわり製品を通じて消費者の節水をサポートし、水の保全と持続可能な使用を実現しています。
※出展:ユニセフ・WHO 報告書「家庭の水と衛生の前進2000~2022年:ジェンダーに焦点を当てて

(Progress on household drinking water, sanitation and hygiene (WASH) 2000-2022: Special focus on gender)」

  • 「すべての人に衛生と水を」、SDGsへの貢献を加速

LIXIL CEO瀬戸がグローバル・リーダーシップ評議会メンバーに民間企業として初任命

LIXILの社長兼CEOの瀬戸欣哉は2023年10月、国連主催の「Sanitation and Water for All: SWA(すべての人に衛生と水を)」パートナーシップのグローバル・リーダーシップ評議会(Global Leadership Council)のメンバーに、民間企業として初めて任命されました。SWAは、400カ国以上が参加するグローバル・パートナーシップで、「水と衛生を、すべての人に、いつでも、どこでも」を共通目標に、政府や国連機関から金融機関、研究機関、民間まで官民連携で政治的支持も得ながら活動をしています。

グローバル・リーダーシップ評議会は、SWAの中でも任命されたリーダーらが集まるグループで、水と衛生設備への普遍的なアクセスの必要性を訴え、地域レベル、世界レベルでSWAの認知度を高めるための支援を行っています。

  • 開発途上国向け簡易式トイレシステム「SATO」が10周年

2013年に1つの製品から始まったSATO事業は、2023年11月に10周年を迎えました。現在ではバリエーションを拡充し、低価格で耐久性に優れた革新的なトイレや衛生製品・備品を提供しています。地域の特性やニーズに合わせて、簡易式トイレシステム「SATO」や手洗いステーション「SATO Tap」などの製品開発を行っているほか、製品供給にとどまらない取り組みを通じて、さらなるインパクト拡大を目指しています。

SATOブランドを45カ国で展開。約4,500万人の衛生環境改善に貢献

「SATO」は、安全で衛生的なトイレが不足する農村や都市部での利用を想定した簡易式トイレシステムです。1L以下の少ない水で洗浄でき、カウンターウエイト式の弁が開閉することで、ハエなどの虫による病原菌の媒介や悪臭を低減する仕組みになっています。

バングラデシュの住民へのヒアリングをもとに開発された初代モデルの「SATO Pan」は、2013年にSATOブランドの最初の市場として同国で生産・販売が開始されました。SATOブランド製品は現在、アジア、アフリカの8カ国で生産し、10カ国で販売しています。年間出荷台数は、4年連続で100万台を突破しました。これまでに45カ国で約750万台を出荷し(※)、約4,500万人の衛生環境改善に貢献した計算になります(2023年4月現在)。

※SATOブランド製品の累計出荷台数

ソーシャルビジネスとして、事業を通じた地域における人材育成と事業創出

SATO事業では製品開発のみならず、現地のメーカーやNGOと連携し、現地での生産・販売体制の構築や材育成にも取り組んでいます。Make(作る)、Sell(売る)、Use(使う)というサイクルを回し続けることで、地域に事業や雇用を生み出し、継続的な衛生環境の改善を可能にしています。

<取り組み例>

●現地の職人の育成(無料研修プログラム)

SATOトイレの設置を担う現地の職人の育成に取り組んでおり、 NGOや国際機関と協働しながら、これまでインド、ウガンダ、ナイジェリア、タンザニアなどにおいてプログラムを実施。主に若年層や女性など24,000人以上が参加しました。

●学校トイレ改善プログラム(STEP)

学校のトイレを改修することで衛生環境に起因する感染症を減らすとともに、家庭や地域社会にも衛生的なトイレの重要性の啓蒙として、アフリカ地域で展開しています。2023年3月期は、ルワンダ政府との連携のもと地域一帯の学校で実施したほか、日本におけるコーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)プログラムと連動してケニア10校で実施するなど活動を広げ、これまでにアフリカ地域内の43校約72,000人の生徒を対象に実施しました。

世界規模でのインパクト創出に向けパートナーシップを拡充

LIXILの衛生製品や活動のインパクトを最大化させるためには、パートナーシップが不可欠です。2018年にはユニセフ(国際連合児童基金)と世界の衛生環境の改善に向けた新しいアプローチとして、グローバルパートナーシップ「MAKE A SPLASH!」を締結したほか、米国国際開発庁(USAID)と連携協定を組むことで「SATO Tap」などの製品のサプライチェーンの確立、国際協力機構(JICA)と共同で世界の衛生課題に関するオンライン研修を実施するなど、さまざまな国際機関や専門機関、NGO、ビジネスパートナーと連携しながら、地域に合わせた製品開発や現地における生産・販売拠点の構築のほか、能力開発や販売促進活動、意識啓発を通じた需要創出に取り組んでいます。

この10年間の実績により、SATOは米ビジネス誌「ファスト・カンパニー」の「Brands That Matter (重要なブランド) 2023」に選出されました。さまざまなステークホルダーを巻き込み、文化および社会に対するインパクトを生み出しているブランドが選出されるもので、SATOのミッションや活動が対外的にも高く評価されています。

グローバルな衛生環境の改善に向けたプロジェクト

ユニセフとのグローバルパートナーシップ「MAKE A SPLASH!」を通じて、一体型シャワートイレやタッチレス水栓などの日本国内の対象商品を1 台ご購入につき1 ドルの寄付をする「みんなにキレイをプロジェクト ~世界中にトイレと手洗いを~」2022年から毎年3か月間実施しています。寄付は、今回の支援対象国、ケニアの衛生環境の改善に使われます。

  • SATO事業 担当者 LIXIL株式会社 SATO事業部  Asiaリーダー 坂田 優さん

    SATOプロジェクトが始動する前の2012年に私たちがバングラデシュを訪れた際に、現地の不衛生なトイレの課題に気づきました。その後、現地住民へのヒアリングを現地NGOとの協働により実施し、初期モデルのトイレを開発し事業がスタートしました。現在は現地での生産・販売体制の構築を現地NGOや政府と取り組む事で事業を拡大しており、10カ国での展開に至っています。納入後、現地を訪問する機会があるのですが、インドやバングラディシュの学校等に、今まできちんとした設備がない施設にSATOを設置した際に、生徒・先生・PTAの方々に大変喜んでもらえた時はやりがいを感じます。今でも、トイレが無い環境で生活している方や手洗い設備のない学校等が世界では多々あります。各国が抱えている衛生に関する課題が複雑かつ異なっている状況ですが、LIXILの知見を活かしてより良い生活をどのように提供できるか、考え続けていきたいです。

  • 革新的な製品で消費者の節水をサポート

LIXILが展開するブランドは、さまざまなライフスタイルやニーズに対応した水まわり製品を提供するとともに、水の使用量を減らし、水の安全性を高めることに貢献しています。

・INAX

 LIXILのブランドの中核を担う「INAX」では最先端の技術を有しています。例えば、キッチン用タッチレス水栓「ナビッシュ」ハンズフリーは、内蔵のセンサー技術により、吐水/止水を自動で行い、従来の水栓に比べて30%の節水(※1)を実現しています。また、トイレ「サティス」は、1回の洗浄で8リットルの水を使用する従来のトイレと比較して、最大49%という大幅な節水(※2)を実現しています。

※1 https://www.lixil.co.jp/lineup/faucet/navish/feature/touchless/

※2 https://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/satis/function/eco/

・Hydrific

LIXILブランドの「Hydrific」は、シンプルでスマートな節水ソリューションを提供することを通じて、水の保全と持続可能な使用を実現します。Hydrificの初の製品となる「Droplet」は、超音波センサー技術を活用し、水の使用量を計測するデバイスです。配管に簡易に取り付けることができ、家庭内での水の消費量を定点からモニタリングし、スマートフォンのアプリを通じてリアルタイムのデータと実用的なインサイトをユーザーに提供することができる製品です。

・GROHE

LIXILブランドの「GROHE」は、バスルームでの効率的な水利用を促進するための革新的な技術として、水循環シャワーシステム「GROHE Everstream」を発表しました。使用したシャワーの水を再利用するこのシャワーシステムは、可能な限り真水を使用せず、エネルギーも大幅に削減しながら、あらゆる期待に応えるシャワー体験を実現するよう設計されており、10分間のシャワーで、水使用量を最大75%、エネルギー使用量を最大66%削減します。GROHEでは、性能や快適性を犠牲にすることなく、水量を従来の約50%に削減できる「GROHE EcoJoyテクノロジー」を採用しているほか、短い時間でも温冷水を切り替え可能な「GROHE SilkMove ES」といったソリューションも提供しています。

引用元:PR TIMES

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