日本メドトロニック 国内初、橈骨動脈穿刺アプローチ専用に設計されたガイディングカテーテル(*1)「Rist(TM) ラディアルアクセス ガイディングカテーテル」を発売

プレスリリース要約

日本メドトロニック株式会社は、脳血管治療に新しいガイディングカテーテル「Rist(TM)(リスト)ラディアルアクセス ガイディングカテーテル」を販売開始する。Ristは手首の橈骨動脈からのカテーテル挿入を可能にし、脳血管内治療の新たな選択肢を提供する。これにより、治療合併症の低減や入院期間の短縮が期待される。脳血管疾患には脳卒中や脳出血が含まれ、日本国内の患者数は174万人であり、死因の第4位になっている。RistはTRA専用のガイディングカテーテルであり、橈骨動脈アプローチ(TRA)の選択肢を広げ、治療の幅を拡大することが期待されている。また、TRIアプローチは止血が容易で、重篤な穿刺部合併症が少ないため、注目されている。
日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、脳血管治療における橈骨(とうこつ)動脈穿刺アプローチ専用のガイディングカテーテル「Rist(TM)(リスト)ラディアルアクセス ガイディングカテーテル」(以下、Rist )の販売を3月1日より開始いたします。Rist の登場によって手首にある橈骨動脈からカテーテルを挿入することが可能になり、脳血管内治療の主流である大腿動脈からの穿刺アプローチと並ぶ新たな治療アクセスの選択肢を提供するものです。

(販売名:Rist ラディアルアクセス ガイディングカテーテル/承認番号:30500BZX00178000)

脳血管疾患は脳卒中とも呼ばれ、血栓などにより脳の血管が詰まり血流が途絶えてしまう虚血性脳血管疾患(脳梗塞)と、血管が破れて出血する出血性脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血)に大別されます。厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査」によると、脳血管疾患を有する患者数は日本国内に174万人(*2)いるとされ、2021年の死因の第4位となっています 。意識障害、運動障害、知覚麻痺などの症状を引き起こし、代表的な既存療法は開頭外科手術および血管内治療(カテーテル治療)です。

血管内治療は、カテーテルを挿入し標的血管まで送達させ、カテーテルを介して治療するため、外科的手術と比較して患者さんの負担が小さいこと、手術時間が短いことが利点です。

 血管内治療は、太ももの大腿動脈からカテーテルを挿入する方法(以下、TFA)と、手首の橈骨動脈からカテーテルを挿入する方法(以下、TRA)の代表的な2つの手段があります。外科的手術と比較して低侵襲な治療であるものの、TFAに起因する臨床課題がいくつか知られています。

TFAで穿刺する大腿動脈は、体表から比較的容易に穿刺できる太い動脈であるため、カテーテル治療に用いる太いカテーテルを無理なく挿入できる利点がある一方で、大腿動脈は血流量が多いため、止血に時間を要し、術後数時間はベッドで安静が必要となります。また穿刺部の出血性合併症を起こすリスクがあります。体表ではなく皮下内で出血が広がった場合には、出血量が多くても体表からの観察では出血の存在がわかりにくく、重篤な状態となることもあるなど、TFAによる術後管理には課題が存在しています 。

橈骨動脈から穿刺するTRAは、止血が容易であり、術直後の行動に制限がない点で有用であるとされています。橈骨動脈は浅層にあり、骨を挟むことで圧迫止血がしやすく、血腫ができるスペースが少ないため、止血処置は手首に止血バンドを巻くのみで良く、患者さんは車椅子に乗って帰室でき、早期歩行も可能となります。ベッド上の安静時の体位に制限が無いため、すぐに帰室できることで、手術室での時間のロスも少なく、介助負担も小さいことが利点です。TRAは穿刺部の出血性合併症リスクの低減、手術における患者さんの負担低減、入院日数の短縮などに寄与することが期待されています。

 Ristは、脳血管内治療において初めてとなるTRA専用のガイディングカテーテルです。ガイディングカテーテルとは、血管内治療における足場となる役割を果たすカテーテルで、ガイディングカテーテルの中に、治療デバイスを送達して治療を行います。脳血管内治療におけるTRAでは大動脈弓などの急峻な屈曲を有する血管を経由する必要があり、従来のガイディングカテーテルでは標的部分までの送達が難しいという課題がありました。Ristは急峻な血管内をスムーズに追従しカテーテルを標的部位まで送達する誘導性、カテーテルが折れにくく内腔がつぶれずに維持されること(内腔維持性)、血管内の屈曲部においても治療用機器の操作を補助するサポート性を兼ね揃えるように考えられた製品です。

右橈骨動脈→右総頚動脈 鎖骨下~腕頭動脈を通過する急峻なアクセス
右橈骨動脈→左総頸総頚動脈 大動脈弓を通過する急峻なアクセス

神戸市立医療センター中央市民病院脳血管治療研究部 部長 坂井信幸先生は「本品は橈骨動脈アプローチ用デバイスとして新機能区分(C1)で保険収載されます。これはアクセスデバイスとしては大変画期的なことです。現在、穿刺部位として最も採用されている大腿動脈アプローチ(TFA)に加えて、本品の登場により橈骨動脈アプローチ(TRA)が選択しやすくなることで、治療の幅が広がり、脳血管内治療の発展にも寄与する可能性があると考えます。」と述べています。

兵庫医科大学 脳神経外科 主任教授 兼 日本脳神経血管内治療学会 理事 吉村 紳一 先生は「近年、脳血管内治療において手首の血管からカテーテルを挿入して行う橈骨動脈アプローチ(TRA)が注目されています。これは、脚の付け根の動脈から行う大腿動脈アプローチ(TFA)と比べて止血が容易で、重篤な穿刺部合併症が少ないためです。また、術後のベッド上安静が短縮されるため、術後経過も良好とされています。TRAで脳血管にアプローチする場合には、急峻にカーブする血管を経由する必要がありますが、本品は柔軟で折れ曲がりに強い特性を有しており、TRA 専用ガイディングカテーテルとして、治療合併症の低減や、入院期間、術後回復期間の短縮につながることが期待されます。」と述べています。

今後もその患者数が増加すると言われている脳血管疾患に対し、メドトロニックは革新的なソリューションを通じて、脳卒中治療の発展に貢献してまいります。

【メドトロニックについて】

大胆な思考。より大胆な行動。私たちはメドトロニックです。Medtronic plc(本社:アイルランド、ダブリン)は、ヘルスケアテクノロジーをグローバルにリードし、人類が直面している多くの困難な健康課題に積極的に取り組み、ソリューションを探し、見つけ出します。150ヵ国以上にまたがる情熱を持った9万5千人以上の従業員からなるグローバルなチームを団結させているのは、「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」という私たちのミッションです。私たちは70以上の健康課題を治療する、心臓ペースメーカ、手術支援ロボット、インスリンポンプ、外科用手術機器、患者モニタリングシステムなどの多様なテクノロジーと治療法を提供しています。

私たちは、多様な知識、飽くなき好奇心、そしてそれを必要とするすべての人を助けたいという思いを原動力に、革新的なテクノロジーで、1秒に2人の人々の生活を、毎時間、毎日、変え続けていきます。メドトロニックは、インサイト(洞察)に基づいた治療法の提供、人を第一に考えたエクスペリエンス、そして世の中により良いアウトカム(結果)をもたらすことに注力していきます。

私たちは何ごとにもエンジニアのマインドを持って、想像を超えるものを創り出します。

Webサイト  www.medtronic.com

【日本のメドトロニックについて】

日本のメドトロニックは日本メドトロニック株式会社、メドトロニックソファモアダネック株式会社、コヴィディエンジャパン株式会社の3法人が、「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」というメドトロニックのミッションのもと、循環器領域、外科領域と低侵襲治療・診断領域、神経科学領域、糖尿病領域の4つの領域で、身体の70種類以上の疾患に対する治療法、サービス、ソリューションを提供しています。

Webサイト  www.medtronic.co.jp

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*1      ガイディングカテーテルとは、血管内治療における足場となる役割を果たすカテーテルで、ガイディングカテーテルの中にカテーテルや治療デバイスを送達します

*2      厚生労働省「令和2年(2020)患者調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/index.html 

※将来の業績見通しに関わるすべての記述は、メドトロニックが米国証券取引委員会に提出する定期報告書に記載されているようなリスクや不確定要素の影響を受ける場合があります。実際の業績は予想と異なる可能性があります。

引用元:PR TIMES

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