2040年を見据えた介護事業経営力強化へ ~全国老施協、経営リーダー養成塾を開催~
我が国では、地域によって担い手の困難さはもとより、介護サービス利用者の減少が見受けられるところもある。担い手確保の困難さは全国的な傾向ではあるものの、都市部への集中など地域間格差も著しい状況となってきた。また、利用者の減少が見受けられる地域では、介護関連サービスが供給過多となっている状況もある。
こうした地域においては、単一の事業だけでは経営がなりゆかず、介護事業体の再編・統合が進んでいく可能性も否定できない。厚生労働省も医療・福祉サービスの「大規模化・協働化」などを謳い、人口急減社会に向けた政策の方向性を示している。
他方、高齢者人口は全体として相対的に増加していき、高齢者が必要とする生活支援や介護を必要とする方が増えることを踏まえれば、全産業のなかでも需要が増大していく産業でもある。
日本の財政や今後の人口動態、各地域のサービス供給等の状況を踏まえ、国が目標とする2040年、或いはそれ以上の長きに亘り地域住民に信頼され、事業を継続していくためには、的確な需給予測等を捉えた経営管理能力が求められる。
こうした不確実性の高い社会を乗り切り質の高い福祉・介護サービスを提供し続けるため、全国老施協は、今後の業界を担う若手経営者層の育成に乗りだした。講師は、老舗福祉系介護コンサルティング会社としてウェルフェアー・J・ユナイテッド株式会社(代表取締役社長 本間 秀司 氏)が担う。本年は8月28日第1回を皮切りに、年度末にかけて計6回実施する予定であり、今年度は全国から30名の参加者を募った。
参加者は、それぞれに課せられる宿題に対して公的統計等を活用し知恵を巡らせ、経営管理の視点から自法人・事業における課題や今後の対応等のプレゼンテーションにより、長期的な事業継続を実現する経営能力や先見性を養う。全国老施協は、こうした取り組みを通じ、全国各地で地域を牽引するリーダーを育成していく。