将来宇宙輸送システム株式会社、JAXAの研究提案募集(RFP)に2件が採択
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プレスリリース要約
要点
- JAXAが行う「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム 第3回 研究提案募集(RFP:Request for Proposal)」に2件が採択
- 採択は、水平着陸式宇宙輸送システム用の「軽量な降着装備」並びに「軽量な機体」の設計・製造に関する研究
- 最長6ヶ月間、JAXAと共同研究を進める
採択概要
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募集元 :国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
研究開発部 革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム事務局提案事業:革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム 第3回 研究提案募集
(RFP:Request for Proposal)採択件数:2件
研究課題:⽔平着陸式宇宙輸送システム⽤の軽量な降着装備の設計・製造の研究
⽔平着陸式宇宙輸送システムの軽量機体の設計・製造の研究実施内容:共同研究
研究区分:チャレンジ型(研究課題に対して、挑戦的な技術の適用性を深める研究)
研究期間:最長6ヶ月以内(2024年3月より8月予定)
研究費 :1件あたり300万円以内
関連情報:https://www.kenkai.jaxa.jp/research/kakushinyusou/request03/rfp.html
2022年よりJAXAとの共創を実施
当社は、自社だけで開発を進めるのではなく、様々な企業や大学等の研究機関、公的機関とパートナーシップを結ぶことで「誰もが宇宙にアクセスできる時代を創る」というビジョンの実現を目指しています。2024年1月時点で、40社(団体・機関)を超えるパートナーシップを締結しています。
JAXAとも、2022年より2023年9月まで、「『高頻度往還飛行型宇宙輸送システム』に係るコンセプト共創機会」において、必要な技術課題の洗い出しや抜本的な低コスト化や有人宇宙輸送技術の検討等の共創活動を行ってきました。
JAXAとの共創を加速。東京理科大との共同研究も実施
今回採択された研究提案募集(RFP:Request for Proposal)では、2022年9月から行ってきた「『高頻度往還飛行型宇宙輸送システム』に係るコンセプト共創活動」の流れをくんで「軽量な降着装備」「軽量な機体」の設計・製造の技術課題に対する共同研究を進めていきます。
なお、「軽量な機体」に関する研究に際しては、東京理科大学 創域理工学部 機械航空宇宙工学科 小笠原宏研究室とも共同研究を進めていきます。
■提携研究機関の概要
大学名 東京理科大学 創域理工学部 機械航空宇宙工学科
研究室 小笠原宏研究室
URL https://www.rs.tus.ac.jp/ogaken_hp3636/index.html
RFPに関する当社の強み
RFPに関して、当社の以下の強みが活かせるものと考えています。
- JAXAとの「「高頻度往還飛行型宇宙輸送システム」に係るコンセプト共創」の経験を活かし、システムレベルからの広い視点を持って検討を実施できること
- 当社で検討・設計中の機体が、高頻度運用のための整備のし易い小型軽量な機体であることから、軽量化の検討が目的である本研究の良い題材となること
- 当社が日本で初めて成功した水素・メタン・酸素の3種類の推進剤を用いた「トリプロペラントの燃焼方式」により3つの推進剤タンクを適切に配置することで、2タンク方式よりも重心バランスの柔軟度が高い設計ができること
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当社で開発中の、アジャイル開発を実現する研究・開発プラットフォーム「P4SD」
を活かすことで検討の速度を早められ、スピード感を持った検討を進められること
- 当社は有人宇宙輸送往還機の開発を目指していることから、RFPの成果を活かすことで、次のステップ以降でさらなる検討の深掘りと、製造・実現まで走りきれる見込みがあること
畑田康二郎 代表取締役社長兼CEOのコメント
当社は創業から約1年半という間もないスタートアップでありながら、緻密かつスピーディーに成果を生み出しています。昨年12月には、日本初となる「トリプロペラント方式」の燃焼試験に成功し、あわせて、当社独自の研究・開発プラットフォーム「P4SD」の有効性を確認しました。
今回、JAXAの研究提案募集(RFP)に2件が採択されたことも、こうした当社の開発姿勢が評価されたものと思います。
今後も様々な企業や大学等の研究機関、公的機関など、多くのパートナーの協力を得ながら、これまでにない加速度で、将来あるべき宇宙輸送システム実現に向けて邁進いたします。
我こそは一緒に働きたい!という個人の方も、事業パートナーとして連携したい!という法人の方も、一緒に夢のような未来を現実のものとする本プロジェクトに挑戦しましょう。
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提案研究課題 詳細
【研究課題1】水平着陸式宇宙輸送システム⽤の軽量な降着装備の設計・製造の研究
■研究の背景と目的
水平着陸式宇宙輸送システムは、既存の空港が使えて航空機的な運用ができることから、運用・コストの面から優れたシステムであると考えられています。一方、水平着陸に使用する降着装備は重く航空機では一般的に8%程度と言われています。
海外の宇宙輸送機では前脚をソリにする等の軽量化対策が講じられてきました。当社で検討中の単段式宇宙輸送機(SSTO)においても降着装備を軽量化するシステムが必要です。 本研究の目的は、耐久性を落とさず降着装備を軽量化するシステムコンセプトを設定し、有人水平着陸式宇宙輸送システムの成立性を高めるために実施するものです。
■研究内容
降着装備の重量を決定する要因は、大別して「作用荷重」「強度設計」「脚組み構造」「使用材料」の4種類があります。これらに対し荷重低減、構造最適化設計、ソリの適用などの課題が幾つかありますが、それらの課題に対して各種簡易計算をすることで技術成立性がわかるレベルまで検討を実施します。また、当社で開発中のP4SD(研究・開発プラットフォーム)を活かすことで検討の速度を早めていきます。
【研究課題2】水平着陸式宇宙輸送システムの軽量機体の設計・製造の研究
■研究の背景と目的
水平着陸式宇宙輸送システムは、既存の空港が使えて航空機的な運用ができることから、運用・コストの面から優れたシステムであると考えられています。一方で、スペースシャトルでは耐熱タイルの重量増や機体制御の難しさが問題です。当社で検討中の単段式宇宙輸送機(SSTO)においても軽量化、熱負荷低減、飛行制御をバランス良く設計することが必要です。
本研究の目的は、当社で検討中の有人水平着陸式トリプロペラントのSSTO往還機をベースに、軽量化機体のシステムコンセプトを設定し、有人水平着陸式宇宙輸送システムの成立性を高めるために実施するものです。
■研究内容
当社で検討中の軽量化技術による軽量化効果と、3タンク以上を積むことによる重心特性への有利さを定量化します。
軽量化技術:トリプロペラント、高度補償、CFRPなどによる機体軽量化、エアアディションなど
空力的安定と飛行制御による軽量化効果:トリプロペラントとして3タンク以上積むことによる重心特性への有利さの定量化 熱負荷の定量化とTPSの軽量化検討など
法人名 将来宇宙輸送システム株式会社
英語名 Innovative Space Carrier Inc.
代表者 代表取締役 畑田康二郎
本社住所 東京都中央区日本橋1-4-1
設立日 2022年5月2日
資金調達総額 860,000,000円
事業内容 革新的な宇宙輸送システムの事業化に向けた企画検討
引用元:PR TIMES