ケインズ『平和の経済的帰結』が、山形浩生氏による新訳で復活!

プレスリリース要約

東洋経済新報社は、20世紀最高の経済学者であるジョン・メイナード・ケインズの著書『平和の経済的帰結』(1919年)を、山形浩生氏の新訳で発刊する。ケインズは第一次世界大戦後に本書を執筆し、戦後処理とその後の世界経済アーキテクチャの発端となる内容を提供している。本書は、戦前の国際経済がどのような要因によって支えられていたかを描写し、戦後の国際経済のあり方を論じている。発売日は1月10日で、著者はジョン・メイナード・ケインズ、訳者は山形浩生氏である。
 株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:田北浩章)は、1月10日に20世紀最高の経済学者であるジョン・メイナード・ケインズの著書『平和の経済的帰結』(1919年)を、山形浩生氏の新訳で発刊いたします。

◆『新訳 平和の経済的帰結』の概要

ケインズは、第一次世界大戦が終戦してまもなく、イギリスの代表団としてパリ講和会議に参加する。しかし、敗戦国ドイツへの過剰な制裁を課す議論の方向性と、まとまりそうなヴェルサイユ条約のあまりのひどさに絶望し、辞表をたたきつけて、即座に本書を書き上げた。

ケインズが描く国際経済の分析は、その後の「ナチスの台頭」や「第二次世界大戦開戦」をも預言した。そのため本書は、第一次世界大戦にとどまらず、第二次世界大戦の戦後処理とその後の世界経済アーキテクチャ構築の発端となった本でもある。

◆編集者から

  「ロンドンの住民は、ベッドの中で朝の紅茶をすすりながら、電話1本で世界中の各種産物を、いくらでも欲しいだけ注文できたし、その注文品はほぼ確実に、ほどなく自分の玄関にまで配達された。同時にそれと同じ手段によって、世界のどんな地域にある天然資源や新事業にでも、自分の資産を投資できたし、その将来的な果実や利得の分け前も、何の努力も手間もかけずに手に入った」

  本書に出てくるこの文章は、第一世界大戦開戦直前(1914年)の描写です。「電話1本」を「1クリック」に変えれば、まるで現代の描写かのようです。ケインズは本書にて、そうした戦前の国際経済がどのような要因によって支えられていたかを描写した上で、戦後の国際経済のあり方を論じています。

  今の生活は決して永続的なものではない。そうした前提に立って本書を読むと、戦争が身近になりつつある現代でも、役立つ知見にあふれた本だと考えています。

【著者紹介】

ジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)

1883年イギリスに生まれる。1905年ケンブリッジ大学キングズカレッジ卒。マクロ経済学の基礎を確立した、20世紀を代表する経済学者。1946年没。著書に『雇用・利子および貨幣の一般理論』、『貨幣論』、『貨幣改革論』など。

【訳・解説者紹介】

山形浩生(やまがた ひろお)

評論家、翻訳家。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。著書に『新教養主義宣言』ほか。訳書に『超訳 ケインズ「一般理論」』、ピケティ『21世紀の資本』、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』ほか多数。またネット上でケインズなどの著作の多くを翻訳公開。

引用元:PR TIMES

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