腹腔鏡下結腸右半切除術訓練シミュレータCOLOMASTERを新発売

　イービーエム株式会社（本社：東京都大田区、研究所：福島県福島市、代表：朴　栄光）は、大腸外科分野における重要な内視鏡外科手術の1つである腹腔鏡下結腸右半切除術訓練シミュレータCOLOMASTER (コロマスター)を、本日2024年1月12日（金）に新製品としてリリースいたしました。本新製品は、国立研究開発法人国立がん研究センター（理事長：中釜 斉、東京都中央区）との共同研究による試作品を製品化したものです。

　外科医のトレーニングには、動物、献体（カダバー）、シミュレータが使われています。しかし、動物や献体は倫理面、費用面等の障壁があり、環境が十分な状況にあるとは言い難い状況でした。また、手術手技のすべての工程を、外科医が普段手術で用いる鉗子やデバイスを使用して、訓練できるシミュレータはありませんでした。そこで、当社は国立がん研究センター東病院 大腸外科と、手術の最初から最後までを再現できる解剖学的にも正確なシミュレータの開発をしました（実施場所：NEXT医療機器開発センター）。このシミュレータで、手術のなかで重要とされる解剖構造の把握や視野展開、剥離手技の会得ができます。これにより国内外どこでも、高品質で安価なトレーニング環境が実現され、さらに外科医の技能向上に貢献することができます。

重要な血管、膜組織の構造がmm単位で超精密に再現

　これまでのシミュレータでは、手術の全体工程の一部分を抜粋してデフォルメすることで、手術トレーニングが行えるようになっておりました。COLOMASTERでは、腹腔鏡下手術で重要な腸間膜、腹膜といった膜組織を始め、胃、十二指腸、膵臓、結腸、小腸、腎臓といった臓器群、並びに上腸間膜動静脈、回結腸動静脈、中結腸動静脈、胃結腸静脈幹等が1mm単位の精度で解剖学的に正確、精密に再現されております。このことから、従来、困難であった腹腔鏡下結腸右半切除術の精密なトレーニングが実現しました。近年、進化が著しい手術用ロボットの開発過程における機能評価、ロボット手術のトレーニングにも効果的にご活用いただけます。

今後の展開

　今後、大手医療機器メーカーと連携し、各社自社製品の安全・適正使用のためのトレーニングにお使いいただくことで、全国規模の素早い普及が見込まれます。また、弊社では2023年7月4日に米国ペンシルベニア州フィラデルフィア市において、現地法人Sim Force One Inc.を設立しており、世界市場へのダイレクトな販売を開始いたします。

イービーエム株式会社について

社名：イービーエム株式会社

本社所在地：〒143-0013　東京都大田区大森南4-6-15

代表取締役：朴　栄光（ぱく　よんがん）42歳

設立： 2006年8月9日（決算期7月）

事業内容： 手術訓練シミュレータ、カリキュラムの開発、医療訓練ロジスティクスの提供

HP：http://ebmc.jp

NEXT医療機器開発センターについて

　NEXT医療機器開発センターは、産学官・医工連携で臨床ニーズに基づいた次世代に望まれる革新的医療機器の開発をミッションとするセンターです。医療機器企業、ものづくり企業、アカデミアそして地域との連携で医療機器開発を推進するとともに、臨床試験・治験のフィールドで医療機器開発を支援しています。また、臨床と隣り合わせのインキュベーション施設として人材を育成、情報を発信しています。

【施設概要】

所在地：〒277-8577　千葉県柏市柏の葉6-5-1

設立： 2017年5月8日

HP：https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/next_mdi_center/index.html

研究代表者：伊藤 雅昭国立がん研究センター東病院　副院長（研究担当（医療機器））/ 大腸外科科長　/　医療機器開発推進部門長