文化庁初の発表支援プログラム!映像作家と化学者のコラボによるホコリとモヤのアート展

プレスリリース要約

アートユニットUWOUWOは、2024年1月30日から2月4日まで、横浜のアート・ギャラリー アウルで個展『横浜微塵美展(ヨコハマミジンビテン)』を開催します。展示作品は、科学装置インスタレーションで、ホコリや手のひらから美しさを見つめ直します。入場料は500円で、アートユニットUWOUWOによる作品が展示されます。展示期間中は、ホコリに光が当たって輝くチンダル現象と、光の屈折によってモヤが見えるシュリーレン現象などが展示されます。展示作品に加えて、アーティストのコメントやプロフィール、開催概要などが掲載されています。
アートユニットUWOUWO(坂根大悟+市川しょうこ)は、2024年1月30日(火)〜2月4日(日)に横浜のアート・ギャラリー アウルにて個展『横浜微塵美展(ヨコハマミジンビテン)』を開催します。本展で展示する作品は、化学者と映像作家がコラボレーションして制作した科学装置インスタレーションです。科学と映像を組み合わせることにより、ホコリが星のように煌めき出し、手のひらから発生するモヤが突然見えてきます。日常目にするホコリや手のひらを通して、世界中に争いが広がる混乱の世の中だからこそ、最も身近な部屋の中にある美しさを見つめ直します。


横浜微塵美展ポスター

本展では、部屋の中にある美しさを見つめ直す科学装置インスタレーションを展示します。
私たちは興味や認識に基づいて世界を知覚しています。目の前にあるものがもし興味の外にある場合、それは私たちの知覚から外れ、まるで存在しないかのようにふるまいます。例えば、私たちは生活の中でホコリを気にもしないでしょう。ですが、ホコリのチラチラと舞う姿が美しいと思えたとしたら、どんな日常になるでしょうか。
退屈に見える部屋にはこうした見方を変えるだけで美しく見えるものが数多く存在しています。本展ではホコリとモヤを通じて日常の美しさに迫っていきます。 視点を少し変えるだけで部屋で過ごす日常が美しいものになるのではないでしょうか。

開催概要

[タイトル]

横浜微塵美展(ヨコハマミジンビテン)

[会場]

アート・ギャラリー アウル

〒231-0868 神奈川県横浜市中区石川町1−54−5

JR石川町駅 元町口から坂を登って徒歩5分

[開催期間]

2024年1月30日(火)〜2024年2月4日(日)

10時~18時(最終日のみ17時クローズ)

休館日なし

[入場料]

500円

[作家]

アートユニットUWOUWO (映像作家 坂根大悟 + 化学者 市川しょうこ)

[支援]

令和5年度 文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 ※

※文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業とは

若手クリエイターの創作活動を支援することにより、次世代のメディア芸術分野を担うクリエイターの水準向上を図るとともに育成環境を整備します。また、メディア芸術分野における国際交流を推進し、クリエイターの育成を促し、その成果を国内外に広く発信することで、我が国メディア芸術水準の向上と発展に資することを目的としています。本展示が採択された発表支援プログラムは、今年度から始まった文化庁初の取り組みです。

文化庁メディアクリエイター育成支援事業「横浜微塵美展」


展示作品

地下1階の作品

ホコリに光が当たって輝いて見えるチンダル現象と、宇宙の星の瞬きを溶け合わせたフロアです。

来場者の姿を認識してホコリにも星にも見える光の粒が舞うインタラクティブな装置を設置し、ホコリと星の境目が分からなくなるような体験を生み出します。

美しい星と汚いホコリが同じ光の粒として共存する作品です。

展示空間
ライトアップされ煌めくホコリ
来場者をリアルタイムで認識して舞う光の粒(インタラクティブ装置)

1階の作品

光の屈折によってモヤが見えるシュリーレン現象と、部屋の中をイメージしたコラージュ映像を同時投影するフロアです。

来場者が作品に手をかざすと、手のひらから普段は目に見えないモヤが発生し、壁に投影されます。

いつも見えている部屋と、見えていないモヤが視界で混ざり合う作品です。

指先に発生するシュリーレン現象
日常のコラージュ映像の例

作家コメント

坂根大悟

2020年からの3年間、部屋という空間を常に意識していた。部屋で使うモニターは巨大になり、新しい本棚が導入され、豆からコーヒーを入れるようになった。Amazonの購入履歴を見てみると2020年の5月にホコリとり用のはたきを買い、2020年10月に小型の空気清浄機を買っている。

それだけ部屋やホコリを常に意識していたのだろう。

私自身、棚や机に溜まったホコリを見るたびに、忌々しいホコリだと思うが、太陽光やプロジェクター光に照らされているホコリは不思議と美しく見えた。ゴミかゴミではないかは人間が脳内で枠組みを作っているだけで、常に変化しているのだろう。ゴミに関連して、日常の中の目に見えていないものを可視化する装置も展示する。目的は同じ「鑑賞者の日常への感覚や認識を少しでも拡張すること」だ。美術館に行かなくとも小さな美は、部屋という日常にも数多く転がっている。

不変に見える部屋にも、あらゆる可能性の粒が溢れているはずだ。

この展示がその可能性を広げる入り口になれば嬉しい。

坂根大悟プロフィール
1995年大宮市出身。映像作家。学習院大学文学部史学科卒業。在学中は映画史を研究。その土地の持つ歴史や都市を題材に、相反するものが共存しながら、複数の可能性が同時存在する「陰陽太極図的メディア空間」を探求しつつ、立体、映像、中間媒介物を組み合わせ、作品を制作。主な展示歴に2023年 さいたま国際芸術祭公募作品展、2022年 六本木アートナイト・オープンコールプロジェクトなど。

市川しょうこ

日常生活は絶えず変化しています。生きていれば部屋にはホコリが溜まり、細胞は代謝され身体は老化していきます。普段「生」に紐づく変化を知覚することは稀ですが、見つめ直し知覚した瞬間、生きることとは汚れ、老いることとも言えるのではないでしょうか。

しかし、この生きるに纏わる変化を物理法則に則って変換すると、地球や星の美しい景色と通底していることに気づきます。例えば、代謝により生じる体温でも空気は刻々と揺らいでおり、その揺らぎは地球上に生じる巨大な蜃気楼と同じ原理です。どのように生きても私たち個人は世界へ干渉し世界から干渉され、断絶された個の空間である部屋自体も宇宙全体の法則に則っており、見方を変えるだけで生は急速に色づくのです。

今回の展示は、日常生活をミクロに分解し、マクロな文脈で世界を捉えている映像作家:坂根さんと再構築したインスタレーション作品です。様々な視点が入り交じる展示空間から、世界認識が拡張するような感覚が生まれたら嬉しく思います。

市川しょうこプロフィール
1992年愛知県出身。神戸大学大学院応用化学専攻修了。研究分野は現在は分子認識化学。大学時代に受けた“化学平衡”の授業から、変化や万物の相対性に興味を持つ。未可視の可視化をテーマに、自然現象を物理特性や分子構造として要素分解・再構築することで、対象物が元来内包している潜在的な性質を引き出したインスタレーション・立体造形を制作している。

アートユニットUWOUWO

アーティスト・都市愛好家の坂根大悟と化学者の市川しょうこによるアートユニット。バックボーンである史学の文脈から世界を「変わっているようで変わっていない」と捉える坂根大悟と、化学の文脈から世界を「変わっていないようで変わっている」と捉える市川しょうこが組み、未可視の可視化をテーマに、化学とメディアと映像と歴史を用いて鑑賞者の世界認識を拡張するような視覚的な作品を生み出している。

お問い合わせ先

アートギャラリーアウル

電話:090-8566-8266

https://gallery-owl-yamate.com/

引用元:PR TIMES

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