2024年 商事始め式典 社長スピーチ

プレスリリース要約

新年の挨拶において、日本での災害や世界情勢の混迷に触れ、被災地の方々へのお見舞いと故人への哀悼の意を表明しました。また、世界情勢の変化に対する注意と、中期経営計画の浸透、脱炭素目標への取り組み、2023年度の連結収支見通しについても述べられました。結びに、社員や家族の健康と発展を祈念しました。

皆さん、おはようございます。晴天の下、こうして皆さんとともに新年を迎えることができ大変うれしく思っております。
しかしながら、今年は新年早々から日本で発生した二つの大きな出来事に心を痛めずにはおられません。元旦の夕刻に発生した能登半島地震では新年の家族団らんの場が一瞬で奪われ、多数の方々が命を落とされ、今もなお行方不明の方がいらっしゃるほか、多くの方々が避難所での生活を強いられております。また2日の夜に発生した羽田空港での航空機衝突事故では民間航空機側の乗客乗員が全員無事であった一方で、地震被災地への救援物資を運ぼうとしていた海上保安庁航空機側の乗組員の方々が複数お亡くなりになったのは痛恨の極みであります。よって、今日は新年の挨拶ではありますが「おめでとう」という言葉は使いません。被災地の皆様には心からお見舞い申し上げるとともにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り致します。一日も早い回復、復興を心より祈念しております。
これを踏まえ、年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。

混迷する世界動向、状況の本質を探り出す

ようやくコロナによるパンデミックが収束したにもかかわらず、世界動向はますます混迷を極めています。出口の見えないロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・ハマス間の紛争、フーシ派によるイエメン沖での国際商船への威嚇など、一口に「地政学リスクの高まり」と言って片付けられるものではない状況です。世界中あらゆるところで分断の構図が発生しており、東西冷戦終結後築かれてきた国際秩序が今大きく揺らいでいます。各国で経済安保という言葉が使われだしている昨今、世界中で事業展開している日本郵船グループの立ち位置はどうあるべきか、即断できるものではありませんが、今まで以上にみなでアンテナを高くして常に状況の本質を探り出すように努めて参りましょう。
今年は選挙の当り年だそうで、新興国含め45か国で大きな選挙が行われます。日本や当社グループにも影響がありそうなところで言えば、今月の台湾総統選挙、3月のロシア大統領選挙、4月の韓国総選挙、6月のBrexit後初の欧州議会選挙、そして11月のアメリカ大統領選挙と、どれも注視が必要です。いずれにしても、私たちがお届けするバリューを世界中の人たちが喜んでくれるような平和な日々が一日でも早くやってくることを祈ります。

中期経営計画のさらなる浸透、一人一人の取り組み

さて、昨年3月初旬に発表した中期経営計画も本年4月から2年目に入ります。北米・欧州・アジアの各地域並びにインドでもタウンホールミーティングを開催し、私自身も加わって中計の骨子を説明し、質疑応答の機会を持ちました。日本でも経営企画本部が旗振り役となって、各本部で中計策定の準備に関わった執行役員による同様の説明会を開催しています。先日のNYK Group Global Weekでも中計を題材としたワークショップでディスカッションの時間を設け、質疑を受けました。私たちが目指す方向性、そしてそれを実現するためのABCDE-Xそれぞれの意図するものはかなり浸透したと思います。さらに昨年11月には、NYKグループESGストーリー2023NYK Group Decarbonization Storyを公表し、ESG経営を実装化していく具体的な道筋とともに、より高い脱炭素目標値を設定し、そのために取り組まねばならないことを整理しました。
とりわけ、GHG排出削減の中間目標では、スコープ1~2を合わせて2030年で45%というのは、これまでの30%という目標に比べてもかなり大胆な設定です。できること・できそうなことを集積して達成する30%ではなく、45%を達成するためには何をやらねばならないか、それを全てリスト化し、一つ一つ達成していこうという全く逆の発想で取り組もうとしています。営業部門、オペレーション部門、管理部門を問わず、一人一人が考え、どんなに小さな事柄でもリストに加えてそれを実現していく、そんな気構えでしっかりと一緒に取り組んでいきましょう。
また、脱炭素に限らず、皆さん一人一人の業務上の課題や取組みが、中計でうたっているAXからEXまでの5つのトランスフォーメーションのどこに関わっているのかを確認しながら進めてみて下さい。自身の貢献をよりはっきりと認識できると思います。

2023年度の連結収支見通し

次に2023年度の連結収支です。現時点の予想では経常利益2,350億円を見込んでいます。過去2年にわたる1兆円規模の経常利益からは大幅に落ちたように見えますが、期初予想の2,000億円より350億円も上積みされる見込みであり、このままいけば歴代第3位の好業績となります。あらゆる部門で、皆さん一人一人がその持ち場でベストを尽くしてくれた結果と受け止め、その頑張りに敬意を表します。2024年も、皆さんとともに知恵を出し合い、良い業績を上げられるよう一緒にベストを尽くしましょう。

最後になりますが、日本郵船グループの社員の皆さん、そしてご家族の皆さんが健康で安全にこの1年を過ごせますように、さらに、日本郵船並びに各グループ会社が事故なく着実に発展する2024年となることを祈念して、私の新年の挨拶といたします。

引用元:PR TIMES

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