M&A総合研究所、『上場企業M&A動向調査レポート(不動産業界版)』を発表

プレスリリース要約

不動産業界のM&A成約数が2018年の17件から2019年の24件へ大幅に増加し、2020年と2021年はそれぞれ23件、21件で微減にとどまった。2022年には最多の25件の成約件数が記録され、2023年には1月から7月までに13件の成約があった。不動産業界の社長平均年齢は62.5歳で、後継者不在率は57.5%と高い。この背景から、事業承継目的のM&Aが増加すると予想される。また、実際のM&A事例としてヤマエグループホールディングスによるLUMBER ONEの子会社化と、穴吹不動産による三和住宅の子会社化が挙げられる。 M&A総合研究所は、M&Aに関する情報を提供している。
  • 調査結果サマリー

●不動産業界のM&A成約件数は2018年の17件から2019年は24件と大きく増加し、他業界がコロナ禍の影響でM&A件数が大幅に減少した2020年と2021年も、不動産業界はそれぞれ23件、21件が成約しており微減にとどまった。また、2022年は本調査期間中で最多の25件となった。

●2023年1月から7月までのM&A成約件数は13件であり、そのうち同業種間で行われたM&Aは11件、異業種とのM&Aが2件であった。

●2022年時点、不動産業界の社長平均年齢は62.5歳であり全業種中で最も高かった。一方で後継者不在率は57.5%であり、近年は改善傾向にあるものの事業承継問題を抱える中小事業者は多いと推察できる。そのため、今後は事業承継目的のM&Aがさらに増加すると考えられる。

  • 調査概要

調査対象期間:2018年から2022年および2023年1月から7月

調査対象:調査対象期間中に公表された、不動産業界を対象にした東証の適時開示

調査方法:東証適時開示の情報を集計

  • 不動産業界のM&Aは横ばいから微増傾向で推移、経営者の高齢化で事業承継M&Aが増加する見込み

2018年の不動産業界におけるM&A成約件数は17件でしたが、翌2019年は24件(前年比41.2%)と大きく増加しています。他業界がコロナ禍の影響でM&A件数が大幅に減少した2020年と2021年も、不動産業界はそれぞれ23件、21件のM&Aが成約し微減にとどまりました。

その期間中の売り手は中小企業や個人オーナー企業が多くを占めており、コロナ禍の影響で事業継続が難しくなった企業による事業承継M&Aや現金化を目的とした売却が増加したため、業界全体のM&A成約件数が大きく落ち込まなかったと考えられます。

また、2022年は本調査期間中で最多となる25件(前年比19.0%)のM&Aが成約しており、そのうち12件は異業種とのM&Aであり、アフターコロナを見据えた事業拡大や多角化を狙ったケースが多くみられました。

低金利で不動産購入者が増えたことや、アフターコロナに向けた動きが好循環を生んでいる不動産業界ですが、資材費や人件費などのコスト上昇、不動産価格の高止まりなどの懸念材料もあります。

また、不動産業界では経営者の高齢化が進んでおり、帝国データバンク「全国『社⻑年齢』分析調査(2022 年)」によれば、2022年時点の不動産業界の社長平均年齢は62.5歳であり、全業種中で最も高い結果となりました。


多くの経営者が引退時期に差し掛かっていますが、帝国データバンク「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022)」では不動産業界の後継者不在率は57.5%であり、ピーク時の2017年に比べると11.5%減少して改善傾向にあるものの、事業承継が難しい企業が多数存在するのが現状です。

そのような背景により、今後は事業承継目的でのM&Aだけでなく、それらの企業を譲受して事業の効率化や分業化を目指すM&Aも増えると考えられます。

  • 取引事例

●ヤマエグループホールディングスによるLUMBER ONEの子会社化

2023年7月、ヤマエグループホールディングス株式会社(以下 ヤマエグループHD)は、戸建住宅の建設・販売を手掛ける株式会社LUMBER ONEを子会社化すると発表しました。

ヤマエグループHDは、グループで食品関連事業や住宅・不動産関連事業などを手掛けています。

子会社となったLUMBER ONEは、東京都23区および郊外を中心に、木造建築工事の設計・請負や土地仕入れなどを展開する企業です。

ヤマエグループHDは、関東エリアのさらなる事業拡大を目的として、LUMBER ONEの全株式取得を決定しました。

なお、LUMBER ONEは2022年10月に「東京プロマーケット」に上場しましたが、今後はヤマエグループHD傘下で成長で成長拡大を目指すとし、8月16日に上場を廃止しています。

なお、株式等の譲渡完了日は2023年9月1日の予定としており、本件の取得価額は101億7700万円(アドバイザリー費用等を含む)です。


●穴吹不動産による三和住宅の子会社化

2022年11月、穴吹興産株式会社は、不動産賃貸・管理業を手掛ける三和住宅株式会社を子会社化すると発表しました。

穴吹興産は不動産開発やホテル・テナントビルの運営などを手掛けており、自社ブランド「アルファ」の高品質マンションシリーズを展開しています。

子会社となった三和住宅は、大阪を中心に戸建住宅の開発・請負やオフィスビル・マンションの賃貸業などを手掛ける企業です。

穴吹興産は三和住宅が保有する優良不動産を取得することで収益不動産の開発力を強化し、アセットマネジメント事業の加速化を目指すとしています。

なお、株式取得実行日は2022年12月1日、本件の取得価額は50億4800万円(デューデリジェンス費用等を含む)です。


  • 株式会社M&A総合研究所について

会社名:株式会社M&A総合研究所

事業内容:M&A仲介事業

本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 18階

代表者:代表取締役社長 佐上 峻作

URL:https://masouken.com/ 


  • 参考

「M&A総合研究所」ではM&Aを分かりやすく解説した記事を公開しております

M&Aとは?:https://masouken.com/M&A

事業承継とは?:https://ma-s.jp/x/ouhps

▼解説記事

不動産M&Aとは?手法、メリット・デメリットの比較、節税や会社分割について解説

https://ma-s.jp/x/sxoim

▼YouTube解説動画

・【不動産業界のM&A】仲介・買取再販・仕入れでM&Aが活況な理由とは!?

https://youtu.be/Ec9bipx-BEc

・【賃貸管理業のM&A】大手企業は地元の管理業者を求めている?高まるニーズとその理由や事例を解説!

https://youtu.be/hr6g06qu_C8

・【不動産売却はM&Aがお得?】不動産売買より手取りが増大する理由を解説!

https://youtu.be/qmBM_j5XDdo

▼過去セミナー動画

・【M&A・事業承継セミナー】総合不動産のM&A戦略〜M&Aを活用し地域の未来を紡ぐ〜

https://masouken.com/seminars/33

・【経営者様向けM&A・事業承継セミナー】不動産業のM&A 〜戸建分譲住宅の成約事例をご紹介〜

https://masouken.com/seminars/44

引用元:PR TIMES

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