CAC、画像認識AIの活用により養殖魚の体重を推定・データ化して資産価値を算定するシステムのMVP版を提供開始
プレスリリース要約
養殖業を含む水産業は地域経済を支える重要な産業である一方で、近年は生産量・生産額の減少、従事者の高齢化や後継者不足、コスト増加などによる生産性の低下といった課題を抱えています。特に養殖業が直面している課題は餌代の高騰と魚価の低迷です。
このような社会課題を踏まえ、CACは長崎県で取り組まれている産学官連携のプロジェクト「ながさきBLUEエコノミー※1」に参画し、デジタル化された養殖場での養殖魚の資産価値算定と算定価値を担保にした金融機関等からの資金調達の仕組み作りに取り組んでいます。
この取り組みでは、長崎総合科学大学(長崎県長崎市)、株式会社十八親和銀行(本店:長崎県長崎市)、株式会社フィンデクス(本社:東京都千代田区)の各者と、養殖業の昌陽水産(長崎県長崎市牧島町)の協力のもとでAI/スマートカメラを活用し、水中カメラで撮影した養殖魚の体重を把握する実証実験(PoC)を実施して、検証を進めてきました。本システムは、この実証実験の成果を反映したものです。
■本システムの概要と効果
本システムは、生簀を水中カメラで撮影した動画から画像認識AIを用いて個々の養殖魚の体重を推定し、体重の分布を計算してデータ化します。この体重分布にキロ単価※2と尾数※3を掛け合わせ、生簀内の魚の時価(公正市場価値。FMV:Fair Market Value)を算出します。
魚を網ですくったりしないため魚体を傷つけることがありません。また、動画をシステムにアップロードした後の個々の魚の体重の推定や様子の確認、時価の算定などはスマートフォンで操作が可能です。
本システムの分析対象の魚類には、マグロのような大型ではなく、小~中型の魚類を想定しています。
本システムは、養殖魚の体重推定による成長度の把握を容易にするとともに、生簀の資産価値算定にも一定の根拠を与えられると考えています。また、これらのデータを活用して養殖魚をABL(Asset Based Lending:動産担保融資)の担保とすることができれば、養殖業の方々の資金調達の円滑化に貢献できる可能性があるとも考えています。
■今後の展望
本システムは、長崎でのモデル確立後に他地域への展開も図ります。機能面では、尾数カウントAIの開発や歩留まり率実績・予測機能の実現により自動化を図るとともに、蓄積した魚の体重データと水温の関係から最適な給餌量への調整による給餌削減など、養殖業の効率化と利便性の向上に役立つ機能を追加していく計画です。また、本システムで算定した時価を実際に養殖業に従事する方々の資金調達へと活用するための検討を金融機関とともに進めていくことも予定しています。
CACは、こうした取り組みによって地域に根差した水産業の再生と地域活性化に貢献するとともに、この取り組みを収益事業としても成立させることを目指してまいります。
※1 ながさきBLUEエコノミーWebサイト:https://blueco.ciugc.nagasaki-u.ac.jp/
※2 キロ単価は、オープンデータ(例:東京都中央卸売市場 市場統計情報等)から推定値を算出。
※3 現時点では、養殖魚へのワクチン接種時のカウントなどによる手動設定。
<株式会社シーエーシー(CAC)概要>
所在地:東京都中央区日本橋箱崎町24番1号
代表者:代表取締役社長 西森良太
資本金:4億円(東証プライム上場 株式会社CAC Holdingsの100%子会社)
事業内容:システム構築サービス、システム運用管理サービス、業務受託サービス
コーポレートサイト:https://www.cac.co.jp/
[商標等について]
・本資料に記載されている社名、製品名等は各社の商標または登録商標です。
*本リリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
株式会社シーエーシー
新規事業開発本部 漁業向けFintech事業担当
E-mail:[email protected]
引用元:PR TIMES