7月22日、東京・池袋EGDEにて、AIOLIN×Rides In ReVellion 2MAN LIVE 「永遠の二重奏~Eternal Violinism~」が開催された

7月22日、東京・池袋EGDEにて、AIOLIN×Rides In ReVellion 2MAN LIVE 「永遠の二重奏~Eternal Violinism~」が開催された

AIOLINとRides In ReVellionによる2MANシリーズ「革命の二重奏」の最終章となる本公演。翌日に解散を控えているAIOLIN、そして彼らとシーンを共に疾走し続けているRides In ReVellion。“好敵手”、“盟友”、あるいは“共闘者”……様々な言葉で呼ぶことのできる唯一無二の関係せいである2バンド。そんな彼らの最後の真剣勝負、両バンド、そしてそのファンにとって忘れられない一夜となった。

幕が開くと、AIOLINとRides In ReVellionのメンバーが勢揃い。ロマンティックなイントロが流れると、EXILEのバラード曲「約束~promises~」のカバーが披露された。これまで何度も共演してきたこともあり、息もピッタリ。

AIOLINのヒカリト(Vo/G/Vn/Pf)とRides In ReVellionの黎(Vo)が、これまでの思い出を語り合い、「「バンド活動の中で、こんなに仲良くなれて、高め合えるバンドに出会えて幸せ」」というヒカリトに、「(そういう話はもっと後にするはずだったのに)ホロリと来てしまいましたね」と黎。

この日のためにヒカリトが音を、黎が動画編集を手掛けたカバー動画がYouTubeチャンネルで公開されているのだが、これまでの2バンドの思い出を振り返るような内容になっている。それ見たヒカリトは「どこか恋人の記念日動画みたいだよね」とコメント。黎としては「作っていて、急にそれっぽくなった(笑)」という。

https://www.youtube.com/watch?v=HBhSYn0NK3E

続いてAIOLINのバラード「Faded」へ。切ない別れの曲を全員で魂を込め奏であげていく。オーディエンスからは大きな拍手が沸き上がった。
そして、「互いのバンドがぶつかり合う、その音を、全身に浴びて、忘れられない一日にできたら」とヒカリトの言葉に皆が同意するように頷き、幕は閉じられた。

先攻はAIOLIN。ヒカリトによる繊細かつ超絶技巧なヴァイオリンソロ「イザイ ヴァイオリンソロ第3番」がフロアに響きわたる。そして流れるようにドラマティックに『Over The Destiny』が始まると、ステージ上の熱気はすでに最高潮だ。自身の感情を吐き出すようシャウトをし、音を奏でる悠(Gt)とレイス(Ba)。Seiya(Dr)。

楽器隊によるラウドなサウンドの上を華麗に乗りこなすようなヒカリトの声とヴァイオリンがこのバンドの武器である。それが存分に堪能できる『Stardust Crystal』、静かな導入から一転し激しさを増す『Tear In The Rain』、『Colors』めまぐるしく華々しいイントロは、レイスによるベースソロを筆頭に華麗にヒカリトと悠が背中合わせでお立ち台にたちギターソロで魅せていく。

実はセットリスト上では『Colors』の前にMCが入る予定だったが、「Seiyaが気持ち入り過ぎて先行っちゃったね」と、軽くジョークをはさむヒカリト。Rides In ReVellionとはAIOLINが始動した年から出会えたきっかけで、「互いに掲げる信念や理想がシンクロするバンド。ライブを観る度に”俺達も負けていられない”と、いつも思っていた」と語る。本公演の翌日、7月23日に解散するAIOLINだが「このタイミングでの2MAN、俺達も気持ち入っているし、最高の仲間達と出会えて本当幸せだよ。そんな俺達の音のぶつかり合い、掲げた理想が交差する瞬間を、この音たち格好良いと感じる瞬間を、身体に刻み付けて帰って欲しい」と続けた。

「やりたいだけやっちまおうか!」というヒカリトの言葉で始まった『Bullet』では、全力のヘドバンで応えるオーディエンス。続いて「頭ぶっ壊せ!」と『Rage On』、『Liar』と畳み掛けていく。声の出せない環境であっても、オーディエンスのバンドの音に対する気持ち、衝動には嘘はつけないといわんばかりにフロアは手拍子やヘドバンで盛り上がっていく。

拍手をバンド側も愛おしそうに受け止め、「こんな2MANができる仲間ができたということはかけがえのないこと、何度でもいいます、ありがとう」と感謝の言葉を口にするヒカリト。

クールダウンさせるように届けられた夏のバラード『Horizon』、続いて演奏された『Voyage』は、Aster(ファンの総称)とバンドによる「#VoyageProject」によってMVが制作されたという楽曲で、「AIOLIN号という船に一緒に乗った時間を思い出してもらって、あなたたち、いや、あなたの背中を押せるような曲であれたら……。一緒に行こう」と曲に対しての想いをヒカリトが語った。そして光が差し込むように鮮やかなメロディがフロアに広がる。そして『Error World』で締めくくるつもりが、想いが止まらないAIOLIN。「今日は俺たちとRides In ReVellion、そしてあたなたちと、永遠の三重奏」だと、もう1曲『Snowdrop』を投下しステージをあとにした。

SEが流れる中、幕が開く。AIOLINの想いをしっかりと受け取り、堂々たる表情で登場したRides In ReVellion。

疾走感のあるサビから始まる『NEVER VANISHING BULLET HOLE』でスタート。決意表明のような曲が、聴く者の心に深く突き刺さる。「AIOLINとのラスト2MAN、とことん楽しんでいきましょう!」と黎。『最終列車 桜通り 手を振るキミへ』を真っ直ぐに、感情を込めて届け、続いて『-273.15℃』が始まると、“待ってました”といわんばかりにヘドバンでこたえるオーディエンス、TaJI(Gt)と 椿(Gt)の音の重なりがさらに盛り上げていく。『HORIZON』でフロアを揺らし、MCへ。

「泣いても笑っても今日がAIOLINとの最後のライブです! 今この時間をとことん楽しもうと思っています!」と黎。「AIOLINはたくさんの時間をともにして、いろんな感情をともにしてきたバンド」と語る。黎が先程のAIOLIN・ヒカリトの「永遠の三重奏」という発言にふれると、「タイトル間違ってましたね」とTaJI。そして黎が「いいや、配信もあるから“四重奏”だ」と宣言。黎とTaJIと楽屋での仲良しぶりを語ると、椿と渚(Ba)も目を合わせ照れ笑い。和やかな空気が流れる。そして黎が「何回も二重奏を重ねてきているからこそ、僕らにしか出来ないことがある。だからこそ、この日に誘ってくれたんだと思う、ありがとうございます」と、AIOLINに感謝を伝えた。

「今日は音楽でぶつかる日です!」と『-反抗声明-』で覚悟を問い、新曲のミディアムナンバー『朝焼けを待つ』を力強く歌い上げ、「AIOLINとこれまで一緒に過ごした時間、絶対に忘れない。これからも胸に抱いて進んでいきます。いつまでも胸に残ってる、そうだろう?」とオーディエンスにまっすぐ呼びかける黎。そして「今日はどうしてもこの曲をやりたかった」と、地元の友に宛てた曲である『道-TAO-』を披露し、AIOLINとの思い出を嬉しそうに、そして時に声をつまらせながら語り、続いての『N/EVER FOREVER』へ。「これしかないセットリスト」とMCでも黎が語っていたように、旅立つ盟友に捧げる曲が続き、聴いているこちらの胸を打つ。

「俺たちの四重奏はこんなもんじゃないよな! 飛べよ!飛べよ!」黎の叫びで始まった『Eternal ~渇望の空~ 』、そしてAIOLINのメンバーが再びステージに登場し、ラストの『カレタソレイユ』へ。過去の「革命の二重奏」でもAIOLINがカバーするなど、彼らにとって大切な曲である。黎とヒカリトの声が美しく重なり、それぞれの想いが交錯する。オーディエンスの大きな拍手に包まれる中ステージは幕を閉じた。

ここでAIOLINのヒカリトがステージ上で語った言葉を紹介したい。

「ここにいる皆さん、いや、君だ。君にも夢があるかもしれない。もし一つの夢が終わっても、君の人生を変わりに生きてくれる人は誰もいないんだ。だから、もし夢を諦めたのだとして、それでも人生が続いていくのだとして、君の人生を生きてほしい。そして、俺たちも、仲間と、君との時間を一生忘れない。音楽というものは、君が忘れなければ、永遠の存在になれるんだ」

自身の音楽に対して確固たる美学を持つ2バンドの「二重奏」は一旦ここで終止符を打つが、黎が最後にステージで口にした「約束はできない、願望かもしれないけど、またこの4人と一緒に音楽ができることを楽しみにしています」という言葉のとおり、またいつか彼らが同じ場所に集い音を奏でることを、願ってやまない。

PHOTO:RINethics
TEXT:藤谷千明

永遠の二重奏〜Eternal Violinism〜
ライブ配信アーカイブ 視聴期限: 2021年8月5日(木) 23:59 まで
https://twitcasting.tv/official_rir/shopcart/89843

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