OMS戯曲賞受賞歴を持つ劇作家・山脇立嗣氏の脚本で チーム・クレセント 第6回公演『その先の凪』上演決定 コロナ禍で息子を亡くした老夫婦が、生前の息子の心の在り様を知っていく物語
プレスリリース要約
公式ホームページ
https://www.teamcrescent.com/koen/2024-6-sonosakinonagi.html
チーム・クレセント 第6回公演『その先の凪』
《令和二年度北海道戯曲賞最終候補作品》
作 :山脇 立嗣、演 出:川口 啓史(劇団俳優座)
緊急事態宣言に向けて動きだした 2020 年 3 月、コロナ禍で息子を亡くした老夫婦は閉塞感の中にいた。
ある日、息子の携帯が鳴った。
相手は 23 年前に別れたはずの息子の恋人だった。
老夫婦は元恋人と会う約束をする。
元恋人が語る亡き息子の不思議な行動。
真実を紐解くうちに老夫婦に見えたものは—
- はじめに
【戯曲との出会い】
昨年 5 月「今年の OMS 戯曲賞は泣ける」というタイムラインを Twitter(現 X)上に見つけました。早速、OMS 戯曲賞の本を取り寄せ読み進めて行くと評判通りの素晴らしい戯曲で私も例外なく涙し、是非ともチーム・クレセントで上演したいという気持ちで一杯になりました。OMS 戯曲賞の事務局に相談したところ、大賞を受賞された山脇立嗣氏より直々にお電話を頂きました。しかし、諸事情により当面の間この戯曲の上演許可は頂けないとのことでした。その代わり「実は僕、他にもたくさん戯曲を書いているんです。読んでもらえませんか?」と、その日のうちに同氏の別の作品が複数送られてきました。そして、その中から「その先の凪」を上演することを決めたのです。
「その先の凪」は氏が 2020 年初めて発令された緊急事態宣言下の中で、「世の中が止まっても自分は作家なんだからとにかく書くんだ」と、強い意志のもと筆を進めたそうです。物語の背景はコロナ禍。一見静かな会話劇のようでいて閉塞感から起こる怒りや悲しみが登場人物たちの心のうちに反映されており、憤りの中で「凪」というテーマを見つけ出した作家自身のささやかな希望を謳っているような作品です。
コロナ禍という時代を共に苦しみながら生き抜いてきた私たちですが、5 類になった今でも自ら起き上がれずに社会の片隅でひっそり生きている方もいらっしゃると思います。そんな方にそっと寄り添うような作品をお届けしたいと思っています。
チーム・クレセント主宰 片山美穂
- 作家紹介
「その先の凪」の初稿を書き上げたのは 2020 年の 5 月末でした。第一回緊急事態宣言が発出中の約二ヶ月間、不要不急の外出を制限されるさなか、ひたすらパソコンに向かっていました。その後も推敲を重ねましたが「パンデミック」や「オーバーシュート」「ロックダウン」「ソーシャルディスタンス」と耳慣れない言葉が次々と世を席巻し、罹患者数だけでなくお亡くなりになられた方も増えていき、その都度私は筆の方向を揺さぶられることになります。今を書く難しさを感じていました。自分の立ち位置が定まらず、心がどこへ向かえばいいのか不安定なままに。
世界中が同じ厄災のもとで堅唾を呑んで耐え忍んでいた時期だったなどと注釈を添えたりすると、後世の人は思想を超えて地球規模の一体感が生じた瞬間だったのではと誤って捉えてしまうのかもしれません。しかし実際にはごく身近なコミュニティ、会社や学校、町内の単位でさえ人は「自粛」と称して分断され「接触」を恐れ、目に見えぬ世間の同調圧力にひたすら怯えて自らも猜疑心にさいなまれる、一体感など望みようのない真逆の期間であったと私は認識しています。とても辛くて窒息しそうな時でした。(でしたと過去形で語れるほどに今現在コロナが完全に収束したわけではありませんが……)
コロナ禍にあって当初の自分がそうであったように、心の安定と不安定の狭間で揺れ動く人を描こうとしてセリフを綴ったのが本作品です。静止したかのような世界だったからこそむしろ、こぼれ出る感情の揺れに敏感になっていた日々を刻みたくて。
山脇 立嗣
【山脇立嗣プロフィール】
1962 年 京都市生まれ。
1981 年より演劇活動開始。
1994 年 日本で初めて、日本語による演劇の全編に日本語の字幕を投影。
1995 年 ろう者と共に劇団あしたの会を結成。以来今日に至る。
2001 年 自戯曲「ずっと咲いてる」を原作とした映画「アイ・ラヴ・フレンズ」公開。(監督/大澤豊 主演/忍足亜希子)
2007 年 第 11 回沖縄市戯曲大賞・「白雨至りて」大賞。
2019 年 第 1 回西の風戯曲賞・「阿修羅の巣くう」大賞。
2022 年 第 29 回OMS戯曲賞・「わたしのこえがきこえますか」大賞。
- 公演概要
チーム・クレセント 第6回公演『その先の凪』
公演期間:2024年6月6日(木)~10日(月)
会場:ザムザ阿佐谷(東京都杉並区阿佐谷北2丁目12-21 ラピュタビル B1F)
脚本:山脇 立嗣
演出:川口 啓史(劇団俳優座)
■出演者
[Aチーム]前田 暁彦/春田 ゆり/小泉 真穂/新里 乃愛
[Bチーム]宮川 知久(Pカンパニー)/片山 美穂/落合 明日香/秋野 隆宏
[Cチーム]黒田 利夫/福井 裕子(演劇集団円)/西村 いづみ/菅野 結花
■公演スケジュール
2024年
6月6日(木)19:00(A)
6月7日(金)12:00(C)/15:30(A)/19:00(B)
6月8日(土)12:00(A)/15:30(B)/19:00(C)
6月9日(日)12:00(B)●/15:30(C)●/19:00(A)●
6月10日(月)12:00(C)/15:30(B)
●ライブ配信あり
※3チームで4ステージずつ上演
開場・受付開始は各開演の30分前
■チケット料金
前売・当日共
一般 5,000円
高校生以下 3,500円
リピーター券 1,500円(同一チームの観劇は不可。要本券提示)
(全席自由・税込)
※車椅子での入場可(要予約)/未就学児童入場不可
■ご観劇チケット、配信チケット
Confetti(カンフェティ)
TEL:0120-240-540(平日10:00~18:00)
http://confetti-web.com/crescent/
ライブ配信・アーカイブ配信(各チーム):2,500円
視聴期間 6/9(日)~6/15(土)
※配信チケットはWEBのみでご購入頂けます
■DVDご予約
J-Stage Navi
TEL:03-6672-2421(平日12:00~18:00)
DVD(3チーム収録):3,500円(発送手数料込み)
予約受付 4/11(木)~6/15(土)
※7月中旬発送予定
■スタッフ
照明・音響・プロジェクションマッピング:松田 充博
楽曲提供:余田 崇徳
舞台監督:高橋 康孝
美術:杜江 良
方言指導:谷藤 太
衣裳:片山 美穂
宣伝美術:おかめ家 ゆうこ
映像制作・配信:齋藤 耕路((株)ユニコーン)
舞台写真:小杉 朋子
制作協力:J-Stage Navi 祖父江 桂子
制作:片山 美穂
企画・製作:チーム・クレセント
【協力】
アイティ企画
演劇集団円
劇団俳優座
Pカンパニー
【後援】杉並区
【助成】公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】
【主催】チーム・クレセント
※予定していた公演内容を変更する場合がございます。ご来場直前に必ず公式HP、X(旧Twitter)をご確認下さいますようお願い申し上げます。
引用元:PR TIMES