バイオスティミュラント資材「スキーポン」実証実験
プレスリリース要約
2022年から始まった国立大学法人帯広畜産大学(北海道帯広市)との共同研究において、デントコーン3品種へのスキーポンの効果を検証しました。3、4葉期にスキーポンを散布した区画と、水のみ散布した区画のデントコーンの収穫前の茎葉の枯れ具合を観察し、収穫時の実や茎葉のサイズや重量を計測しました。スキーポンを散布した区画のデントコーンは、水のみを散布した区画と比べ、葉や実の重さが統計的に有意に重いことが確認されました=下グラフ・写真参照。
また、葉の付き具合や色も、スキーポンの散布区画のデントコーンの方が良好な結果となりました=下画像参照。スキーポンの散布で葉の生育が安定、光合成が促進され、安定した栄養の取り込みが実の成長につながったことが示唆される結果となりました。
スキーポンの散布区画のデントコーン(左)。水のみ散布区画のデントコーン(右)と比べ、葉が青々としています
ブロッコリー
ブロッコリーの大型実証実験は、2022年と2023年の2回実施しました。
一回目の2022年は干ばつ状態の圃場で実施。スキーポンを施用した区画ブロッコリーは、生育が良好で欠株が少なく、花蕾の大きさも統計的な有意差が確認されました。
スキーポンを散布していない「対象区」(下写真左)の写真を見ると、欠株や生育の不ぞろいが目立っていることが確認されました。一方、スキーポンを散布した区画の作物は生育の度合いがそろい、欠株も対象区より少なくなっていることが確認されました。
ドローンで上空から撮影した写真で被植率を比べたところ=下画像、スキーポンを散布していない「対象区」が59%、スキーポンを散布した区画は85%と差が出ました。
2023年に行った実証試験では2022年の再現性の確認に加えて、ブロッコリーを散布した圃場と、散布していない圃場でそれぞれ栽培したブロッコリーの、収穫時の花蕾の直径も測りました。
スキーポンを散布した区画で育ったブロッコリーの花蕾の直径は、そうでない区画で育ったものに比べて、約1.5センチ上回ることが、統計的に有意な差として確認されました。
2つの実証実験の結果から、スキーポンを施用することで、
・植付後、干ばつ時の欠株や生育のばらつきの軽減
・花蕾のそろいを良くし、生育を促進する効果
が示唆されました。
ブロッコリーでのスキーポン施用例
苗の予備潅水を済ませたうえで、植付の24時間前までに、500倍に希釈したスキーポンで苗に灌注、またはどぶ漬けで処理してください。
処理方法の動画はこちら
スキーポン使い方動画 どぶ漬け編
https://www.youtube.com/watch?v=20P5f4iyoZ4
スキーポン使い方動画 灌注編
https://www.youtube.com/watch?v=QrcosCIyXxc
葉面散布では十分な効果が得られない可能性があります。老化した苗や弱っている苗に散布すると、葉が黄化したり下葉したりすることがあるので、ご注意ください。
バイオスティミュラント製剤「スキーポン」
バイオスティミュラントは、「生物」(バイオ)と「stimulant」(刺激剤)を組み合わせた呼称で、農薬、肥料、土壌改良資材など、従来の農業対策に次ぐ技術です。植物が本来持つ作用を刺激することで、気候や土壌からのストレスやダメージへの耐性を高めます。「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用したバイオスティミュラントです。酢酸の作用で、植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持、節水に繋げます。
アクプランタ株式会社について
創業者・CEO代表取締役社長の金鍾明が、理化学研究所の研究員だった2017年、学術誌「Nature Plants」に発表した、植物の乾燥耐性を高める酢酸の作用を活用したバイオスティミュラント資材「スキーポン」を開発したアグリバイオスタートアップです。気候変動や減農薬・減化学肥料の需要の高まりを背景に、国外では米国やウガンダなど14カ国で、スキーポンによる高温・乾燥対策の実証実験に取り組んでいます。国内ではJAふじ伊豆(静岡県)、群馬、愛知、和歌山の各県農業試験場、全国各地の農家、農業グループ、企業などと取り組んでいます。第6回 アグリテックグランプリ最優秀賞/第1回JAアクセラレーター優秀賞/AgriFood SBIRピッチ2023ビジネス構想最優秀賞、日本経済新聞社主催「超DXサミット インパクトピッチ」日経賞など、受賞多数。
お問い合わせ
アクプランタ株式会社 鈴木
e-mail: [email protected]
引用元:PR TIMES