石川県の伝統工芸事業者24組が商品開発やブランディング、販路開拓に取り組む『イシカワルクラフト』令和5年度報告会レポート

プレスリリース要約

株式会社Culture Generation Japanが運営する石川県伝統産業市場変化対応支援事業『イシカワルクラフト』の報告会が開催され、24の伝統工芸事業者が参加した。事業は市場環境の変化に対応し、「付加価値の高い商品開発」や「ブランド力の向上」を目指している。参加事業者はそれぞれの課題に応じて「掘り下げる」「拡張する」の2つのコースに分かれ、専門家の支援を受けて商品開発や販路開拓に取り組んでいる。報告会ではそれぞれの成果が報告された。

世界に誇れる日本文化の継承と創造を目指すビジネスプロデュースカンパニー、株式会社Culture Generation Japan(カルチャージェネレーションジャパン、東京都中央区 / 代表取締役 堀田卓哉)が運営する、石川県内の伝統工芸事業者24社が参加する、石川県伝統産業市場変化対応支援事業『イシカワルクラフト』(*1)の報告会を地場産業振興センター新館にて開催いたしました。

*1 事業主体:石川県 / 公益財団法人石川県産業創出支援機構委託事業

人々の生活環境や行動様式により大きく変化する市場環境において、石川県の伝統的工芸品36業種の事業者を対象に、「付加価値の高い商品開発」や「ブランド力の向上」等に取り組む支援事業としてスタートした『イシカワルクラフト』。今年度は、北陸新幹線の延伸や海外からのインバウンドの増加など、新しい人流が生まれることが期待される中で、今後の商機を見据えた商品開発や販路開拓などの支援を目的として本事業を実施し、企業、個人を含め、全24の石川県内の伝統工芸事業者に参加いただきました。

事業者のフェーズや課題により「掘り下げる」「拡張する」の2つのコースに分かれ、自らが考え、今後継続して実行していくことを目標に、専門家の伴走のもと、セミナーや展示会への出展など、1年間を通して商品やサービスのブラッシュアップ、リブランディングやPRなどに取り組んで参りました。

それぞれが持つ課題とその解決に向けて『イシカワルクラフト』でどのような取り組みを実施したのか、各事業者が集い報告を交わす成果報告会を2024年3月22日(金)に開催いたしました。

「掘り下げる」コース

自社の強みを深堀し、本質的な価値を見極め、それを専門家と共に表現する「掘り下げる」コースには10事業者が参加。プロダクトデザインやパッケージデザインによるブランド価値強化を目指し取り組みました。コースを代表して3社が報告を行いました。

九谷結窯(九谷焼)

今ある一つ一つのプロダクトの見せ方について考え、自社の新商品である「Qpor」について、素材、誰に売るのか、などを専門家とともに掘り下げていき、独自性のある素材なので素材ブランドとして育っていくことが望ましいという結論に至った。次は、どうしたら価値が分かりやすくお客様に伝わるのかを考えている。

瑾齋(山中漆器)

漆器作りにおいて独自のプロセスが持つ価値を大事にしながら、世の中にも共感を生むものとはと考えた。専門家との話し合いの中で、長く続いている会社で変革していないことこそが逆に強みになるのではと感じることができた。この事業でブランドの立ち位置について改めて考えたことで、山中漆器の可能性を感じることができた。また、自分たちが何に取り組むべきなのかが、はっきりしてきたプロジェクトであったと感じている。

堆朱杏奈(山中漆器)

新商品「しんこきゅう」を横展開し、キービジュアルも価格帯に合ったイメージを模索。京都ギフトショーで展開した。反応がどうかわからなかったものの、実際バイヤーなどからの反応を多くいただいた。自分の考えているターゲット層だけではなく、今後は色々な場へ展開を増やし、露出を広げていくことが重要と感じた。


参加事業者(50音順)

浅田漆器工芸(山中漆器)、石川漆宝堂(山中漆器)、いち松(輪島塗)、大竹仏壇製作所(金沢仏壇)、かのりゅう(山中漆器)、瑾齋(山中漆器)、九谷結窯(九谷焼)、忠兵衛PRO(輪島塗)、堆朱杏奈(山中漆器)、升井彩本乾漆(輪島塗)

専門家

o-lab inc. 代表取締役 ・ クリエイティブディレクター 綾 利洋氏

所以ブランドデザイン 代表 / デザイナー 形山 佳之氏

株式会社Culture Generation Japan プロジェクトマネージャー 志村 聡子

「拡張する」コース

14事業者が参加した、自社の強みを活用し、発信力の向上や新事業展開を狙う「拡張する」コース。サービスデザインやコミュニケーションデザインによる新規顧客の開拓や新市場進出を目指しました。

友禅空間 工房久恒(加賀友禅)

自社SNSの改善を進める中で、受け取り手のことを考えられておらず、自分たちが発信したい情報ばかりが先行していたことに気付かされた。自社ではたくさんの情報・作品・ラインナップを持っているが、それが逆にお客様に違いが伝わりづらくなっていることが課題の一つと捉え、情報を整理し、自社の強みやブランドがどうあるべきか、届ける先にはどんな人がいるのかなどを考え、新たにプランニングし運用をスタートすることできた。

Gold-Knot(金沢箔)

レースと金沢箔を使用したアクセサリーを展開する中で、デザインやプロダクト自体は良いが、ストーリーとして金沢という土地とレースの接点を再考しながら、具現化に挑み、新しいプロダクトを制作した。これまでは平板なレースプロダクトが主だったがクロッシェレース技法を入れて立体的なプロダクトを開発し、海外も視野に入れた販路拡大を図る。

清峰堂(九谷焼)

他社が提供している和食器のサブスクリプションサービス「CRAFTAL」と協業し、飲食店でのインテリアに対する需要があるという仮説を立て、九谷焼のインテリアをサブスクリプションするサービスをつくるという方向性で取り組んだ。百貨店などからの引き合いもあり、良い商品だと評価をいただくことができ、新しいビジネスの形が見えそうだと感じている。

参加事業者(50音順)

朝日電機製作所(九谷焼)、大島東太郎商店(山中漆器)、奥田染色(加賀友禅)、金沢友禅工房どんちや(加賀友禅)、北市漆器店(山中漆器)、小山箸店(輪島塗 箸)、Gold-Knot(金沢箔)、芝山佳範(漆、沈金)、清峰堂(九谷焼)、津田水引折型(加賀水引細工)、西山産業開発(牛首紬)、瑞白(漆、蒔絵)、山崎麻織物工房(能登上布)、友禅空間 工房久恒(加賀友禅)

専門家

株式会社 Showyou 代表取締役 久野 真嗣氏

PR SHIP 代表 寒河江 麻恵氏

株式会社 Culture Generation Japan 代表取締役 堀田 卓哉

専門家プロフィール

o-lab inc.

代表取締役 ・ クリエイティブディレクター  綾 利洋

有機化学からデザインへ転向し、米国デザインファームを経て独立。2016 年 o-lab inc. 設立。不要な境界線が融解した自由な視点、感性とロジックが交差する思考により、伝統工芸から先端医療機器、時に企業そのものまで、分野を横断してコンセプト創出、デザイン、ブランディング、ディレクションを手掛けている。

株式会社 Showyou

代表取締役  久野 真嗣

工芸・ものづくり・日本文化の世界に向けた発信と販売を合わせた「アトリエジャパン」を立ち上げ、運営。国内外の数々のプロ ジェクトにて実績を残し、自社でも売り場やバイヤーとのネット ワークを通して、伝統工芸品の販売促進の活性化に従事している。

所以ブランドデザイン

代表 / デザイナー 形山 佳之

グラフィックデザイン会社に勤務し、飲食店の立ち上げに参画、食のデザイン、商品開発、細かなデザイン設計を行いブランドデザインのベースを作り上げる。現在独立し「デザインの 意味」を掘り下げるため「所以ブランドデザイン」を立ち上げ、主にブランディングからグラフィックデザインを手掛けている。

PR SHIP

代表  寒河江 麻恵 

輸入卸代理店にて外資系ファッションブランドのPRを経て、2012年より独立。2016年にPR SHIPを設立し、「食」「地域」をテーマに、様々な地域・企業・ブランド・イベントなどのPRとコミュニケーションに関わる業務をサポートしている。

株式会社 Culture Generation Japan 

代表取締役  堀田 卓哉

2011年 (株)Culture Generation Japan 設立。2019年 香港にサステナビリティをコンセプ トとしたマルチレーベルショップ「HAUSTAGE」、和食器のサブスクリプションサービス「CRAFTAL」など革新的なサービスをローンチしている。

株式会社Culture Generation Japan 

プロジェクトマネージャー 志村 聡子

東京都出身。就職と共に初めて移住した富山県で地方にしかないものづくり力・人の魅力に触れ、そこに寄与する仕事をし たいとクラウドファンディングのページ制作事業に従事。ものづくりメーカーと並走しながら商品価値や携わる人の想いを 広く伝える。22年よりCGJにジョインし、より一層深いレイヤーでものづくりに携わっている。

プログラム概要

名称 :イシカワルクラフト

運営期間 :2023年4月~2024年3月末

主催 :公益財団法人石川県産業創出支援機構

運営委託事業者 :株式会社Culture Generation Japan

参加事業者:(50音順)

浅田漆器工芸(山中漆器)、朝日電機製作所(九谷焼)、石川漆宝堂(山中漆器)、いち松(輪島塗)、大島東太郎商店(山中漆器)、大竹仏壇製作所(金沢仏壇)、奥田染色(加賀友禅)、金沢友禅工房どんちや(加賀友禅)、かのりゅう(山中漆器)、北市漆器店(山中漆器)、瑾齋(山中漆器)、小山箸店(輪島塗 箸)、Gold-Knot(金沢箔)、九谷結窯(九谷焼)、芝山佳範(漆、沈金)、清峰堂(九谷焼)、忠兵衛PRO(輪島塗)、堆朱杏奈(山中漆器)、津田水引折型(加賀水引細工)、西山産業開発(牛首紬)、升井彩本乾漆(輪島塗)、瑞白(漆、蒔絵)、山崎麻織物工房(能登上布)、友禅空間 工房久恒(加賀友禅)

Culture Generation Japanについて

カルチャージェネレーションジャパンは、世界に誇れる日本文化の継承と創造を目指すビジネスプロデュースカンパニーです。日本全国に息づく伝統や技術にさまざまなステークホルダーの想いを重ねながら、事業共創を通じて今の時代にあった事業を構築し、日本の文化を次世代へとつないでいきます。

会社概要

企業名:株式会社Culture Generation Japan

所在地:〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町5-18 TOI BLDG. 4階

代表者:代表取締役 堀田卓哉

電話番号:03-5614-0111

http://culgene.jp/

引用元:PR TIMES

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