分析機器の高性能化、高速化に対応した 小径「FINE PEEK-STキャピラリーコイル管」量産体制確立のお知らせ
Table of Contents
プレスリリース要約
日本金属株式会社(本社:東京都港区、取締役社長 下川康志、証券コード:5491)は、この度、「FINE PEEK-STキャピラリーコイル管」の量産体制を確立したことをお知らせします。
当社は2019年1月に、内管に樹脂パイプ、外管に当社独自の成分設計による高強度オーステナイト系ステンレス鋼(NK-304NF)を使用した複合管「FINE PEEK-STカラム(ステンレス鋼・PEEK樹脂:複合カラム)」の販売を開始し、分析カラム管に採用されておりますが、「分析カラム管前後に接続するキャピラリー配管も複合化できないか」とのユーザーのニーズに応えるべく、小径化開発を進め、その結果、外径1/16”(1.59mmφ)、内径最小0.10mmφの小径キャピラリー管サイズを実現し、「FINE PEEK-ST キャピラリー管」を製品化※1しました。
※1 参考 2021年4月6日付プレスリリース
分析機器の高性能化、高速化に対応した小径「FINE PEEK-STキャピラリー管」の開発および製品化のお知らせ
「FINE PEEK-STキャピラリー管」は、国内外の分析機器メーカーへサンプルを提供し、各社から性能で高い評価をいただいていますが、キャピラリー配管は数量を必要とするため長尺品のニーズが多く、コイル化を望む声が多数ありました。その要望に応えるため、従来の2000mm直管から更に長尺化を進め、2021年12月に「FINE PEEK-STキャピラリーコイル管」を開発※2し、この度、最長20mの長さでステンレス鋼とPEEK樹脂を一体化した「FINE PEEK-STキャピラリーコイル管」の量産体制を確立しました。
※2 参考 2021年12月1日付プレスリリース
分析機器の高性能化、高速化に対応した長さ30mの小径「FINE PEEK-STキャピラリーコイル」開発
今後はお客様からの更なるニーズに応えるべく、製造可能な製品長さの伸長を目指してまいります。
なお、本製品は、第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」のビジョンに沿い、Multi & Hybrid Material(=様々なニーズに適合する多種多様な素材を活用)をキーワードに、圧延・複合成形で人と地球の未来に貢献する研究開発の成果でもあります。
「キャピラリー管」概要
キャピラリー(capillary)とは中空細管の総称で、特に内径の小さい管を指します。例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(GC)などの分析機器において、分析カラム管と圧力ポンプや検出器を繋ぐ配管などに使用されており、分析機器の高性能化や高速化により、配管内径の小径化、内面の真円度や粗さの高精度化、高圧化が求められています。
また、生化学やバイオ分野などにおける金属イオンの影響を受けやすい配位化合物(リン酸基を有するATPなど)の分析では、これまでSUS316Lに代表される高耐食性のあるオーステナイト系ステンレス鋼が使用されてきましたが、配管内面への吸着による影響が懸念されるため、金属管を用いない方法(メタルフリー化)が有効とされています。
「FINE PEEK-STキャピラリーコイル管」概要
1. 特長
1)外管にSUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス鋼を、内管にPEEK(polyetheretherketone:ポリエーテルエーテルケトン)樹脂を使用。外管にステンレス鋼を用いることでPEEK管の従来の課題であった物理的強度が大幅に向上し、100MPa以上の超高圧環境でも使用することが可能です。
2)外管と内管は特殊な加工で一体化させているため、小さい曲げRにおいても剥離が起きないことを確認しており、複雑な配管においても安心して使用することが可能です(資料)。
3)内径は面粗さRa0.3μm以下且つ真円に近い良好な形状を実現しており、一般的な配管と比較して高精 度な分析が可能です。
4)最大20mのコイル形状のため、自由な長さに切断することが可能となり、お客様での使用時の歩留まり向上によるコスト削減や、長尺化による用途の拡大が見込まれます。
2. 対応可能鋼種・サイズ
- 外管:オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316Lなど)
- 内管:PEEK樹脂
- サイズ:外径 1/16”(1.59mmφ)
- 内径:0.10mmφ~0.50mmφ (その他のサイズは別途お問い合わせください。)
- 製品形態:直管 (L=Max2,000mm),コイル(L=Max20m/Coil)
当社ホームページ:https://www.nipponkinzoku.co.jp/products/peek
なお、当社ではオーステナイト系ステンレス鋼製の一般キャピラリー管もラインナップをしています。これについても内径の高精度化を進め、2024年2月現在、内径0.5mmφまでについては100m~300m程度のコイルで内面粗さRa0.5μm以下の製品を開発※3、サンプルを提供し、Near Net Performance(=最終製品に要求される性能を素材・部材で実現する)製品として各社から性能で高い評価をいただいています。
※3 参考 2022年9月30日付プレスリリース
分析機器の更なる高性能化、高速化のご要望にお応えする「内面高精度」小径管の開発および製品化のお知らせ
第11次経営計画
「NIPPON KINZOKU 2030」のビジョンについて
『人と地球にやさしい新たな価値を共創するMulti&Hybrid Material企業~多種多様な素材を圧延・複合成形することで、最終製品に要求される性能を素材で実現し人と地球の未来に貢献します~』を掲げ、ニーズに適合する多種多様な素材の圧延、異種材(樹脂等)との複合化を目指し、研究開発を進めております。「FINE PEEK-ST キャピラリーコイル管」はこの研究開発の一環として誕生した製品となります。当社では今後も経営計画のビジョンに基づいた研究開発を進めてまいります。
本リリースに関するお問い合わせ先
日本金属株式会社 総務部
TEL:03-5765-8100
Mail:[email protected]
本製品及び技術情報に関するお問い合わせ先
日本金属株式会社 営業開発部
TEL:03-5765-8150
引用元:PR TIMES