数十年に一度の干ばつ下でコーンに「スキーポン」散布 生育・収量に有意差
プレスリリース要約
本試験は2023年6月、アメリカ中西部(ネブラスカ州、アイオワ州)のコーン圃場で、コーンのV4期(本葉 4 葉抽出期)にスキーポンを散布し、その後の生育、収量の状況を追跡しました。
【アイオワ州の試験概要と結果】
アイオワ州では、現地周辺が数十年に一度というレベルの干ばつに見舞われる中、スキーポンの散布方法を3パターンに分け、その後の生育状況を検証しました。
①量を加減しながら作物の根元に散布する
②根元に散布せず、量を加減しながら葉っぱの表面に散布する(葉面散布)
③スキーポンを混ぜた液体化学肥料を畝と畝の間に散布する
①の方法でスキーポンを散布した区画のコーン3本(下写真右・黄色い線)と、スキーポンを散布していない区画のコーン3本(下写真左・白い線)との生育を比較。スキーポンを散布した区画の方が、根の発達がよく、草の丈も高くなっていることが確認できました。
【ネブラスカ州の試験概要と結果】
ネブラスカ州のコーン農家と協力し実施した試験では、スキーポンの散布区画が慣行区と比べ収量が8%向上しました=下図参照。スキーポンが熱・乾燥耐性に強い作物の生育に貢献できている可能性を示唆しています。
大規模農業でのオペレーションとスキーポンの適用
アメリカ中西部の大規模農業では、機械化・自動化が進み、スキーポンの散布方法についても効率性と効果のバランスが求められます。本試験では、根元への直接散布、葉面散布、液体化学肥料との混合散布など、いくつかの方法を試しながら最適な方法にめどが付きました。今年度は、さらにアメリカ中西部の圃場でスキーポン活用事例を増やすことを目指しており、気候変動における持続可能な農業の実現に貢献してまいります。
バイオスティミュラント製剤「スキーポン」
バイオスティミュラントは、「生物」(バイオ)と「stimulant」(刺激剤)を組み合わせた呼称で、農薬、肥料、土壌改良資材など、従来の農業対策に次ぐ技術です。植物が本来持つ作用を刺激することで、気候や土壌からのストレスやダメージへの耐性を高めます。「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用したバイオスティミュラントです。酢酸の作用で、植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持、節水に繋げます。
アクプランタ株式会社について
創業者・CEO代表取締役社長の金鍾明が、理化学研究所の研究員だった2017年、学術誌「Nature Plants」に発表した、植物の乾燥耐性を高める酢酸の作用を活用したバイオスティミュラント資材「スキーポン」を開発したアグリバイオスタートアップです。気候変動や減農薬・減化学肥料の需要の高まりを背景に、国外では米国やウガンダなど14カ国で、スキーポンによる高温・乾燥対策の実証実験に取り組んでいます。国内ではJAふじ伊豆(静岡県)、群馬、愛知、和歌山の各県農業試験場、全国各地の農家、農業グループ、企業などと取り組んでいます。第6回 アグリテックグランプリ最優秀賞/第1回JAアクセラレーター優秀賞/AgriFood SBIRピッチ2023ビジネス構想最優秀賞、日本経済新聞社主催「超DXサミット インパクトピッチ」日経賞など、受賞多数。
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アクプランタ株式会社 鈴木
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引用元:PR TIMES