モビリティシステム共同研究講座のイベントで、株式会社ベクトリクス ジャパンの3輪EV『I-Cargo』を利用し、物流の2024年問題を学びながら大学キャンパス内での宅配体験会を実施
プレスリリース要約
このイベントを主催した岩田章裕特任教授(常勤)が教鞭をとる大阪大学大学院工学研究科『モビリティシステム共同研究講座』は、2020年に大阪大学大学院工学研究科が関西電力株式会社と立ち上げた「電気自動車を核として、多彩な街を支えるスマートシティ・プラットフォームのプロトタイプを産官学連携で作り上げることを最終目的とする」先進的な組織。
イベント前半は、岩田章裕特任教授(常勤)による物流業界の2024年問題についての講演が行われ、この難題を克服する解決策として①自動運転、②フィジカルインターネット、③ドローン物流、④モーダルシフトの4つが取り上げられました。また物流のカーボンニュートラルに向けて物流GXの必要性と、昨今のeモビリティについてもいくつか紹介されました。
続いて登壇した当社代表・山岸史明は、EV開発とeモビリティを拡げる事業者の立場から、社会的なテーマであるカーボンニュートラルへの取り組みについて講演しました。冒頭で「社会的なテーマ」に取り組むには、複数の国産4輪・2輪メーカーが存在する日本特有のマインドを理解しなければならないことに触れ、日本社会においてCO2削減のためのEV化には「地域社会で働く現場のモビリティをEV化することが最も重要なこと」と説き、続けて「地域毎に個々のモビリティがEV化することで、結果、地域全体でのEV化が促進される」、そのためには、生産年齢人口に加え、総人口からドライバーを生み出す発想が必要で、「昨日までドライバーにならなかった方々が『I-Cargo』ならドライバーになれる」、そんな「誰でも簡単に運転できる乗り物にする」ことを基本コンセプトに『I-Cargo』を開発したことを説明しました。
イベント後半は『I-Cargo』を利用した模擬宅配です。簡単な操作方法のレクチャーの後、広大なキャンパス内に設置した仮想配達先3ヶ所に、実際に荷物の配達・回収を行ってもらいました。交通量こそ少ないものの一般車が走行する道であり、入り組んだ研究棟間の狭路や駐車場でのUターンもあり、この日初めてハンドルバーを握った即席の宅配ドライバーには少しハードルが高い気もしましたが、心配はまったく無用でした。参加者は皆、3輪EV『I-Cargo』ならではの車体の動きにすぐに慣れて、静かに、軽快にキャンパスを駆け抜けていきます。
宅配体験会後のヒアリングやアンケートでは「今後の研究の参考になる貴重な機会になった」「社会課題を踏まえて新たなモビリティの必要性を認識した後に宅配体験会を行ったのは良い構成」といった高評価が多く、また工学部・工学研究科の学生らしい「リア・サスペンションのセッティング」や「バックモニターの位置」「スロットル・オフでの回生ブレーキの効き方」などに関する鋭い質問、注文もあり、今後の車両熟成に役立ちそうです。
今回のイベントで行われた宅配体験会は、当社が目標とする社会的な課題解決への実験的なアプローチとなり、貴重なフィードバックを得られたイベントでした。今後も同様に大学や研究機関等との協力関係を積極的に進めていく予定です。
引用元:PR TIMES