社内恋愛のうち4人に1人が結婚!?経験者271名に聞いた社内恋愛のリスクとメリットとは
働く女性が増え、以前は男性ばかりだった職場などにも、女性が進出しています。一方で、保育士や看護師をはじめ、女性の比率が多かった職種に就く男性も増加しています。
社会の「男女のボーダレス化」が進む中、職場内での恋愛事情はどのような状況なのでしょうか。社内恋愛の経験がある男女271人を対象に、アンケート調査を実施しました。「どんな職場で」「どういった立場の相手と」「何をきっかけに」恋愛に発展したか。そして、恋愛関係になってからはどうなったかなど、詳しく話しを聞きました。
アンケート対象者:
「社内恋愛の経験がある」または「現在社内恋愛中」の20歳以上の男女(既婚者との恋愛は含みません)
(内訳)男性124人、女性147人
Table of Contents
社内恋愛のきっかけは仕事の関わりが55%
同僚や部下・上司、先輩・後輩が恋人へと変わった理由が何だったか、お互いまたはどちらかが好意を抱くようになった「きっかけ」について聞きました。
複数回答で「仕事」を選んだ人は全体の55.0%に上りました。詳しいエピソードは次の通りです。
仕事で指示を仰いでいて、だんだんと惹かれるようになった。(35歳公務員女性) |
私が彼の上司で、毎日同行して仕事を教えていた。毎日関わる中で、お互い意識し始めていった。(27歳運輸・通信業女性) |
同じ部署で自分が課長、彼女が係長。課会議や仕事のことで互いに助け合う仲間として相談し合ったり、食事に行ったりしている間に互いに好意をもつようになり、自然と付き合うようになった。(49歳サービス業男性) |
相手が仕事上のトラブルで困っていた際、ヘルプしたのがきっかけ。(48歳公務員女性) |
好意を抱くきっかけとして「一緒に仕事をした」「仕事を教えてもらった」「トラブルやミスをカバーしてもらった」というエピソードを挙げる人が目立ちました。「仕事をしている姿に好感をもった」ことがきっかけで恋愛感情に発展したというパターンも多いようです。
「飲み会きっかけ」には2パターン
歓送迎会や忘年会、新年会など、行事として「飲み会」がある会社も少なくないでしょう。しかしながら「会社の飲み会、パーティなど」の回答は、26.9%にとどまりました。いわゆる「アフターファイブ」よりも、仕事がらみの方が恋愛感情が生まれやすいと言えそうです。
その「飲み会きっかけ」も、大きく分けて次の2パターンがあるようです。
①飲み会で知り合ったパターン
②飲み会で親密になったパターン
それぞれどのように社内恋愛に発展していったのか、具体的なエピソードを見てみましょう。
飲み会から社内恋愛に発展したエピソード
【飲み会で知り合った】
飲み会で近くの席になって、話してみたら、とても穏やかで性格のいい人で気が合った。それからよく会話するようになった。(36歳製造業女性) |
会社の忘年会でたまたま話す機会があり、意気投合した。(34歳製造業女性) |
飲み会まではほとんど面識がなく、飲み会で知り合ったパターンです。これは店舗や部署がいくつもあるような、従業員の多い企業が多いのかもしれません。
【飲み会で親密になった】
年齢が近く、仕事を一緒にしているうちに仲良くなり、飲みに行くようになった。(36歳公務員男性) |
仕事の悩みを相談するために数回2人で飲みに行ったことがあり、その流れで。(34歳サービス業男性) |
仕事を一緒に行う中で親しくなり、飲み会でさらに関係を深めることで社内恋愛に発展したようです。社内で気になる人ができたら、飲みに誘うことで親しくなる機会を作ることができるかも知れませんね。
恋人は「同部署で一緒に仕事をしていた」が17.3%で最多
社内恋愛がスタートしたとき、恋人と社内的にどんな関係だったかを聞きました。
もっとも多かったのが「同部署で、一緒に仕事をしていた」で、17.3%がこれに当てはまると回答しました。
全体的にみると、「他の部署で仕事上まったく関わりがなかった」(4.4%)と「同部署だけど、仕事であまり関わりがなかった」(3%)が少なく、仕事で無関係な相手と付き合うケースはごくわずかという結果でした。
もっとも社内恋愛に発展しやすい関係性は「先輩と後輩」!
次に、社内恋愛の相手との関係性を「同期」「上司と部下」「先輩と後輩」の3つに分け、どの関係が社内恋愛に進展しやすいのか比較してみました。
同期 | 31.5% |
---|---|
先輩と後輩 | 41.6% |
上司と部下 | 27.0% |
もっとも多かったのは「先輩と後輩(41.6%)」の関係性です。先輩と後輩は直接仕事を教える、教わる立場であることから、他の関係よりも関わりが強く恋愛に発展しやすいのかもしれません。
社内恋愛は秘密にすべき!?オープンにした人・秘密にした人の理由とは?
社内恋愛の場合、業務や人間関係に支障が出ることをおそれて、周囲に交際を隠しているカップルも少なくなさそうですが、実際に付き合っていることを秘密にしているカップルはどれくらいいるのでしょうか。
調査結果では、43.2%の人が「秘密にしている」ことが分かりました。一方でそれ以外の56.8%が特定の人のみへオープンにしているなどを含め、「オープンにしている」と回答しました。
社内恋愛を周りに秘密にしている人、オープンにしている人、特定の人のみにオープンにしている(または秘密にしている)人は、それぞれどういった事情があるのでしょうか。
オープンにしている理由は「知られても問題がない」が61.8%
まずは社内恋愛を「オープンにしている」人に、その理由を聞いてみました。
特に知られても問題がない | 61.8% |
秘密にしたかったが知られてしまった | 27.3% |
秘密にしておくことが面倒 | 3.6% |
ライバルをけん制するため | 1.8% |
恋人との交際を周囲にも知らせたい | 1.8% |
その他 | 3.6% |
「特に知られても問題ない(61.8%)」「秘密にしておくことが面倒(3.6%)」と65.4%の人は、特にオープンにしたい意図があったわけではなく、秘密にする必要がなかったというのが理由のようです。
また「秘密にしたかったが知られてしまった 」という回答も30%ほどあり、オープンにしたくはなかったが意図に反してオープンになってしまった人もいました。
一方で、「ライバルをけん制するため(1.8%)」「恋人との交際を周囲にも知らせたい(1.8%)」など、理由があって意図的にオープンにしたという人は3.6%に留まりました。
「親しい人にはオープンにする」が45.7%
「特定の人だけにオープンにしている」と回答した人にも、理由を聞きました。その理由のトップ5は次の通りです。
全体にオープンにすると仕事上面倒だが、親しい人にはオープンにしたかった | 22.8% |
秘密にしたかったが知られてしまった | 19.6% |
特に知られても問題がないため | 12.0% |
親しい人にはオープンにする必要があるが、全体にオープンにするのは気まずい | 12.0% |
親しいにオープンにしておかないと、知られたときに面倒だから | 10.9% |
「親しい人には社内恋愛をオープンにしたい」「親しい人にはオープンにしなければいけない」という内容の回答が45.7%に上りました。
親しい人であれば、仕事だけでなくプライベートでも交流がある可能性があり、オープンにしたほうが社内恋愛しやすいという事情があるのかもしれません。
またここでも、「秘密にしたかったが知られてしまった 」と、意図に反してオープンになったケースが19.6%ありました。
「意図せず知られてしまった」ことであらゆる影響も
「オープンにしている」「特定の人だけにオープンにしている」のいずれにも、「秘密にしたかったが知られてしまった 」と回答した人が2~3割いました。
これらの人に、「意図せずオープンになってしまったことで困ったことはなかったか」尋ねました。結果は次の通りです。
特に困ったことはなかった | 42.4% |
困ることはなかったが気まずかった | 36.4% |
業務に支障が出てしまった | 12.1% |
人間関係に影響が出てしまった | 3.0% |
片方(または両方)が別部署や支店に異動となった | 3.0% |
結果的に別れの要因になった | 3.0% |
「特に困ったことはなかった(42.4%)」「困ることはなかったが気まずかった(36.4%)」と、78.8%の人に関しては大きな影響はなかったようです。
その一方で、業務に支障が出たり(12.1%)、片方または両方が異動となる(3.0%)などの多大な影響が出てしまったケースもありました。また意図せずに社内恋愛を知られてしまうことが、別れの原因になる(3.0%)こともあるようです。
社内恋愛が周りの社員に知られてしまうことで、思わぬ影響がでる可能性があることは知っておいたほうがよさそうですね。
秘密の理由は「業務や処遇に影響」「社内恋愛禁止」も
さいごに社内恋愛を「秘密にしている」人に、その理由について聞いてみました。
社内恋愛を知られると、気まずいから | 41.0% |
基本的に自分の恋愛について人に話さない | 20.5% |
社内恋愛していることが知られると、業務に影響がでるから | 18.8% |
社内恋愛は禁止ではないが、事実上、出世や処遇に影響するから | 8.5% |
社内恋愛禁止のため秘密にせざるを得ない | 7.7% |
自分はオープンにしたいが、恋人が秘密にしたいと言っている | 1.7% |
その他 | 1.7% |
「気まずいから」(41%)、「基本的に恋愛について話さない」(20.5%)といった個人的な理由が上位を占めていますが、「業務に影響がでる」(18.8%)、「出世や処遇に影響する」(8.5%)といったビジネス上の対外的な理由も少なからずありました。
また「社内恋愛が禁止」(7.7%)という会社も実際にあるようです。
社内恋愛でよかったのは「スケジュールが把握しやすい」
社内恋愛ならではのメリットやデメリットについて経験者に聞きました。まずは「社内恋愛でよかったと思うこと」として当てはまるものをすべて選んでもらいました。
経験者の55%が社内恋愛のメリットだと感じているのが、「お互いのスケジュールを把握しやすい」ことです。相手のスケジュールを把握していれば会う時間を設けやすくなりますし、長く会えない期間があっても変に勘ぐる必要がなくすれ違いを回避することができるでしょう。
その次に多かった「相手の仕事の様子を知ることができる」「勤務時間が一緒なので、プライベートでも会いやすい」「相手の様子がわかりやすいので、すれ違いが少ない」も、「スケジュールを把握しやすい」と意図としてはほとんど同じといえそうです。
前章では意図せずオープンになったことで別れてしまったケースもありましたが、「特にない」という回答以外の95.9%の人は、社内恋愛に対して何らかのメリットを感じていることが分かりました。
3割の経験者が「社内恋愛で困ったことは特にない」と回答
社内恋愛のメリットの次は、デメリットについても尋ねてみました。回答のトップは「特にない」で、回答者の31%が当てはまると回答しました。
次に多かった回答は「業務で異性と接しているのに、恋人に嫉妬される(19.2%)」です。その他にも64.6%の人が、「プライベートで気分転換ができない」や「会社の飲み会などでもハメを外せない」など、交際している相手の反応を気にしていることが分かりました。半数以上の人が、交際相手と一緒の職場にいることに対する閉塞感を少なからず感じているようです。
また「恋人とのことでからかわれる」「イチャついていると誤解される」など、周りの対応や反応に対して困っていると回答した人も42.3%いました。
「特にない」という回答以外の69%の人は何かしら『困った』経験があるということですから、社内恋愛をする場合にはこういった困りごとが起きる覚悟はしておいたほうが良いのかも知れません。
社内恋愛は「1年以上交際」した人が57.6%
社内恋愛では周りの人に気を遣わないといけない点も少なくないようですが、お付き合いは長く続くものなのでしょうか。今回の回答者にどのくらい交際が続いたのかを聞きました。
もっとも多かったのは「1年~2年」で28.0%でした。「6ヶ月~1年」「1年~2年」を合わせると53.5%となり全体の半数以上を占めますが、6カ月以下の合計は16.9%と少ない結果でした。
社内恋愛のすえに「結婚した」は24.7%
気になる社内恋愛の結末についてです。社内恋愛の結果、関係性はどうなったのかを尋ねました。
もっとも多いのが「破局」で59.8%とほぼ6割に達しました。一方で結婚に至ったのは24.7%です。およそ4人に1人が結婚しているのですから、少ない数字ではありません。
社内恋愛から結婚に至るケースが多いのは、社内恋愛が比較的長く続くことと無関係ではないようです。社内恋愛が3年以上続いた47人のうち「結婚した」のは63.8%の30人、「現在進行中」が14.9%の7人、「破局した」21.3%で、圧倒的に「結婚した」が多くなっています。
これが社内恋愛が5年以上続いた人(計20人)になると「破局した」のがたった1人、10年以上(12人)で「破局した」のは0人となりました。
社内恋愛が破局した理由は「まんねり」が最多
「破局した」と回答した人に対し、「社内恋愛であったことと、破局には関係があるか」を聞きました。その結果は次の通りです。
【破局したのは“社内恋愛”だったから?】
関係ない | 59.9% |
どちらともいえない | 25.9% |
関係ある | 14.2% |
「関係ない」とした回答した人の方が多い結果でしたが、一部「関係ある」(14.2%)と答えた人もいました。「関係ある」と回答した14.2%の人にはさらに、その具体的な理由を教えてもらいました。結果は次の通りです。
【破局した理由】
公私で一緒だったため“まんねり”になった | 41.4% |
業務に支障をきたした | 17.2% |
会社の人間に恋人との関係を邪魔された | 10.3% |
会社の中の噂がひどく、付き合っていられなくなった | 10.3% |
会社の上司、先輩などに社内恋愛を諫められた | 3.4% |
「まんねりになった」という回答が41.4%で最多でした。恋人と長い時間一緒にいられる一方で、仕事でもプライベートでも常に顔を合わせるという環境に新鮮味を感じなくなってしまう人が多くいたことが分かります。
もう一度「社内恋愛したい」は10.5%で少数派
今回アンケートに答えてくれた社内恋愛経験者の全員に、「もう一度社内恋愛をしたいかどうか」を問いました。回答は次の通りです。
最多となったのは「どちらともいえない」で25.3%でした。「できるだけ避けたい」「したいとは言えない」「絶対にしたくない」の否定派の合計は46.9%で、「したくはないが、してもいい」「社内恋愛したい」の肯定派の合計27.8%を20ポイント近く上回る結果となりました。
社内恋愛のメリットも少なくはないものの、デメリットを感じることのほうが多いということなのかもしれません。
社内恋愛は「サービス業」で「事務職」が発展しやすい傾向
最後に、どのような業種・職種で社内恋愛に発展しやすいのかチェックするため、アンケート対象となった「社内恋愛経験者」「社内恋愛中」の方々のプロフィールを見ていきましょう。
まずはアンケート対象者が社内恋愛をしていた当時の勤務先(恋愛中のケースでは現在の勤務先)です。勤務先の業種でもっとも多かったのは「サービス業」で、全体のおよそ3割に当たる29.9%でした。社内恋愛の勤務先で多かった順にまとめると、次の通りです。
サービス業 | 29.9% |
製造業 | 18.8% |
卸・小売業・飲食店 | 15.1% |
運輸・通信業 | 7.0% |
金融・保険業 | 5.5% |
公務員 | 4.1% |
建設業 | 3.3% |
不動産業 | 2.6% |
農林水産・鉱業 | 0.4% |
その他 | 13.3% |
勤務先の規模は、従業員数「11人~100人( 45.0%)」がもっとも多く、続いて「101人~500人 (25.5%)」、「1001~5000人(8.9%)」、「501人~1000人(7.7%)」、「5001人以上(7.4%)」です。
「10人以下」は5.5%でした。どちらかというと、中規模な会社での社内恋愛が多い結果です。
職種では「事務職」が32.5%で最多
次は、職種や雇用形態に関してです。社内恋愛スタート時の雇用形態は「正社員71.2%」「アルバイト・パート18.1%」「契約社員6.6%」「派遣社員4.1%」となっています。
仕事内容で見ると、「事務職」が32.5%で最多でした。詳細は以下の通りです。
事務職 | 32.5% |
サービス職(接客、調理、介護員など) | 23.2% |
専門的・技術的職(医師、看護師、弁護士、研究者、開発技術者、デザイナーなど) | 16.2% |
販売職(営業、店舗の店長、販売員など) | 14.4% |
生産工程職(生産設備の制御・監視、製品製造、機械組立、製品検査など) | 7.0% |
管理職 | 1.8% |
建設職 | 0.4% |
運搬・清掃・包装職 | 0.4% |
その他 | 4.1% |
社内恋愛の開始時期は「入社1年~2年」が最多
入社してからどのくらいの時期に社内恋愛が始まるケースが多かったのでしょうか。社内恋愛がスタートした当時の社歴について聞きました。
入社後「1年~2年」が20.3%ともっとも多く、「6ヶ月~3年」(16.2%)、「2年〜3年」(14.4%)と、入社半年から3年の間に付き合い始めた人が全体の約半分を占める結果です。
一方で半年以内に社内恋愛が始まった人の割合で見ると全体の4分の1に達します。毎日、長時間一緒に過ごすことも多い社内でのことだけに、「急展開」も多いようです。
仕事から始まる社内恋愛は、結婚への近道!?
最近は、社内恋愛も多様化していて、オープンに楽しんでいる人や、同じ職場にいるメリットを生かして付き合いを深めているカップルも多くなっているようです。何よりも、社内恋愛の場合は比較的関係が長く続き、結婚に至るケースも多い点は見逃せません。社内恋愛の期待値は思った以上に高そうです。
今後は男女共同参画の推進や年功序列の見直し、そしてリモートワーク導入の加速化など、さまざまな改革の流れの中で、日本の会社も大きく変化することが予想されます。
会社組織の変革が進み、人間関係が柔軟になれば、より良い人間関係の中では、より良い社内恋愛も生まれるでしょう。そんな会社を探して社内恋愛を目指すのも、人生の一つの選択肢になるかもしれません。
調査方法:インターネットアンケート アンケート母数:271名 実施時期:2021年5月17日~5月31日 調査実施主体:マッチングアプリ大学(https://jsbs2012.jp/) 調査会社:株式会社ネクストレベル |
■マッチングアプリ大学はこんなメディアです■
【運営会社】
株式会社ネクストレベル
https://next-level.biz/
横浜・福岡にてWebメディア運営とシステム開発事業を展開。
『最新のマーケティング技術を用いて社会発展を目指す』をミッションとし、2008年の設立より婚活関連のマーケティングを始め、常に最新のマーケティングを取り入れ、多くの情報を発信。
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