キャップジェミニのWorld Quality Report 2019: ビジネス目標と品質目標の整合性の欠如が、アジャイルおよびDevOps採用を妨げる
【2019年10月31日:パリ発】
キャップジェミニとキャップジェミニ・グループの一員であるソジェッティは本日、『The World Quality Report 2019-20』(WQR)をリリースしました。このWQRはMicro Focus社との共同発行によるもので、ビジネスの優先順位と顧客の期待との整合性をアジャイルおよびDevOps採用への道のりにおける最重要課題として示しています。今回のWQRは、ビジネスの成長に貢献する品質保証(QA)とテストに関するアクティビティの強化・改善の必要性を強調すると共に、ITチームが直面するセキュリティの懸念への対処の重要性が高まっていることについて言及しています。今回の調査では、対象企業の59%が「データ処理およびストレージシステムのセキュリティポリシー順守を確保すべき管理・制御に不備がある」と回答しています。今回のWQRでは、将来、インテリジェントアナリティクス、テスト自動化プラットフォーム、そしてより高度な技術スキルを用いた、よりスマートでコネクテッドなテストアプローチがQA&テスティングのプラクティスに含まれることを詳細に説明しています。
Micro Focus社の詳細はhttps://www.microfocus.com/en-us/homeをご覧ください。
今年のWQRでは、テストデータ管理(TDM)とテスト環境管理(TEM)における不十分なプロセスを、企業にとって高まり続ける課題としてハイライトしています。今年の回答者の60%は、自社が直面しているテスト環境の最大の障害をコストだと指摘しています。これは、2年前の39%より高くなっています。
今年のWQRの主なハイライトを、以下にまとめます。
アジャイルおよびDevOps採用のためのQA目標のトップに「ビジネスの成長と成果」が浮上
今回の調査では、ハイレベルな商業的目標が企業内でのテスティングおよびQAの重要な目標の決定に与える影響が高まっていることが判明しました。回答者は、テストおよびQAの今年の最重要目標として、「ビジネスの成長と成果への貢献」と「エンドユーザーの満足」(いずれも40%)の2つをあげています。
セキュリティは今でも中心 - しかし対処すべき新たな問題も
今回のレポートでは、セキュリティに関する課題と機会が明らかになりました。回答者の58%は、「現在クラウド環境でセキュリティテストを実施している」と答えています。これは2015年の調査(42%)よりも増えています。また、回答者の過半数(53%)が「テストの自動化によって企業全体のセキュリティリスクが軽減された」と答えています。IT優先事項についての質問では、回答者の44%が「セキュリティの強化」を指摘して、最も重要な優先課題となりました。さらに、アプリケーション開発における現在の技術的問題では、回答者の半数以上(52%)が「セキュリティ検証への取り組み」を指摘しています。
自動化による改善の進行と、それがもたらす課題
近年、着実に成長しているテスト自動化(TA)は、「テストアクティビティの制御と透明性の向上」(63%)、「欠陥検出の向上」(56%)、「テストコストの削減」(56%)、「テストサイクルの短縮」(54%)などのメリットをもたらしました。
しかしながら、今年の調査では、テスト自動化がいかにライフサイクル全体のニーズとなりつつあるかということと共に、この発展がギャップの原因となりつつあることも示されました。アプリケーション開発で直面する技術的課題について、回答者の63%が「構築から展開まで、エンド・ツー・エンドの自動化の欠如」を指摘しています。これは昨年の調査結果(55%)より増えています。
自動化と人工知能(AI)の使用が増えるにつれて、企業におけるスキルギャップも明らかになりつつあります。今回の調査によれば、回答者の41%が「QA&テスティングに関する適切なスキルの欠如」を技術的課題としています。調査対象企業の58%は外部からAI専門知識を取り入れていますが、その理由は、「自社のコアビジネスの一環ではない」(23%)、「AI知識が至急必要」(24%)、「必要なのは限られた期間内のみ」(11%)などです。
キャップジェミニ・グループのDigital Assurance and Testing部門のグローバルリーダー、Mark Buenenのコメント:イノベーションによるコストダウンとプロセスの改善により、テスティング&QAのランドスケープは急速に広がりつつあります。テスティング&QAは、企業内の孤立した特定のエリアから、企業のオペレーションとビジネス成果の基礎となるエリアへと移行し続けています。
Mark Buenen については下記をご参照ください。
https://www.capgemini.com/experts/testing/mark-buenen/
また、変化はそれ自体の課題をもたらします。最も重要な2つの課題、それは、「アジャイルおよびDevOps開発におけるテスティング&QAのオーケストレーション」、そして、「必要とするスキルセットの入手・使用」です。企業が優勢を維持するためには、コネクテッドでホリスティックなテスティングアプローチをはじめとする新たなアプローチを取り入れ、テスト環境に対する組織的認識を高め、テストデータ管理のための「センター・オブ・エクセレンス」アプローチを採用する必要があります。
Micro FocusのSenior Vice President兼Application Delivery Management部門General Manager、Raffi Margaliot氏のコメント:テストと自動化は、信頼性の高いセキュアなソフトウェアの提供に不可欠な要素ですが、チームは依然としてテストと自動化のコストと複雑さに苦労しています。今年のWorld Quality Reportは、デジタルトランスフォーメーションプロジェクトを実施するお客様にとって、スキル、セキュリティ、予算、そしてエンド・ツー・エンドのテストとQAが何よりも重要であることを示しています。
進化を続けるアジャイル・DevOps環境でのテストを成長させるために:
WQRは、その結論として、企業がアジャイルおよびDevOpsをより広範に採用するために企業は何をすべきか、以下の一連の助言を示しています。
- インテリジェントなアナリティクスを展開するスマートでコネクテッドなテストエコシステムを構築すること
- ライフサイクルの早い段階、すなわち設計中にセキュリティテストを導入して、セキュリティに上手に対処すること
- データサイエンス、統計、数学を取り入れることにより、テストチーム内のAI関連のスキルセットを広げること
- テストの自動化をプラットフォームとして再考すること
- テスト環境に対する認識とテスト環境の視覚化を高めること ― テストデータ管理にセンター・オブ・エクセレンスアプローチを採用すること
World Quality Report 2019-20 は以下よりダウンロードできます。
https://www.capgemini.com/research/world-quality-report-2019/
World Quality Report 2019-20の調査方法:
World Quality Reportは、アプリケーション品質とテスティングのトレンドを分析する唯一のグローバルレポートです。2009年以来毎年発行し、今年で11版となりました。2019年のレポートでは、コンピューター支援の電話インタビューによるデータ収集収集を採用し、32カ国、8つ業界のCIOその他シニアの技術プロフェッショナルの方々総勢1725名にインタビューを実施しました。今回のレポートでは、回答者を6つのグループ - CIO、アプリケーション関連のヴァイスプレジデント、ITディレクター、QA/テスティングマネージャー、CDO/CMO、CTO/製品責任者 - に分けて分析を実施、その結果をベースにして、世界規模の調査回答者に対する定量的インタビューとそれに続く定性的な掘り下げたディスカッションを通して調査を行いました。
キャップジェミニについて
キャップジェミニは、コンサルティング、テクノロジーサービス、デジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダーとして、イノベーションの最前線に立ち、進化を続けるクラウド、デジタル及び各種プラットフォーム分野で、顧客のあらゆるビジネス機会に対応致します。キャップジェミニは、50年にわたり蓄積してきた優れた実績と業界固有の専門知識を基に、戦略から運用まで、弊社の一連のサービスを通じて、顧客企業が目指すビジネスビジョンの実現をご支援致します。キャップジェミニの信念は、「テクノロジーに関わるビジネス価値は人を通じて具現化される」ことであり、この信念こそが弊社の原動力となっています。キャップジェミニは、世界40ケ国以上、20万人を超えるチームメンバーで構成される多文化企業です。キャップジェミニ・グループ全体の2018年度売上は、132億ユーロです。
キャップジェミニ株式会社については、以下をご覧ください。
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